浪速漢組の青春物語3 (ページ45)

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、

side大吾

『…どんな人ですか？
優しい？かわいい？守ってあげたい？』

これに答えれば
俺はお前が好きやと言ってるようなもんやん。

とテキトーにはぐらかすことも考えたが

その目は真剣で、

俺は腹を括って答えることにした。

「顔は良いけど、お節介で喧嘩の強い女」

『へ？』

「なんやねん」

彼女の言わんとしてることはわかってる。
でも、俺は気付かないフリをする。

『いや、あの、えーっと』

それって私ですか、なんて小っ恥ずかしいセリフ
言えるわけないよな。

気づいてしまったけど
どうしたら良いかわからない彼女は
一人で目を泳がせあわあわとしている。

喧嘩強いくせに、ほんまこういうことには初すぎて笑える。

ごめんな、丈。お先に。

「俺の好きな人はAちゃん」

嘘や、と彼女は余計オドオドするから

その動きを止めるように抱きしめる。

「本気やから。好きやで」

『だ、大吾くん』

「ま、そういうこと」

俺は体を離し、
赤くなって固まる彼女を他所に
途中だった弁当を食べ進めた。

「はよたべや、チャイムなるで」

ほんまは内心バクバクやったけど
冷静を装って平然と話す俺に

彼女も合わせて、そこからはたわいもない会話をして昼休みを過ごした。