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ああ、あれが本来の女の子らしい女の子で
男が守りたくなるような理想的な人。
あれが私なら、きっと誰も助けには来ない。
「…そんな切なそうな顔せんといて？」
大橋くんが私の顔を覗き込み、眉毛をさげながら
優しく笑い、彼の伸ばした左手が
私の頬に触れた。
そっと、包み込むように優しく触れる温かな手は
冷房の効いたカフェにいて冷えた頬には心地よかった。
「あの」
大橋くんの斜め後ろから声がして、見上げるとそこには恭平に手を繋がれた小春ちゃんが立っていた。
大橋くんは私の頬から手を離し、恭平の方に振り返る。
「俺、こいつ送って行きます」
「ああ。了解！怖かったよな？
気をつけて帰ってな。
ほな、恭平また明日なー」
大橋さんはにこやかに2人を送り出し、私は
後ろ姿に静かに手を振る。
2人が店を出たところで
くるっと体を前に戻した大橋くん。
「で？その切ない顔は
今のせい？それとも過去のせい？」
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作者名：Runaaaaa
| 作成日時：2020年11月6日 23時
