浪速漢組の青春物語3 (ページ27)

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、

side道枝

「すみません」

2人の姿が見えなくなった頃
咄嗟に絡めた指をほどいた。

『いや…大丈夫やけど…どうしたん』

俺も自分がこんな行動をした明確な理由なんてすぐに思い浮かばんくて

「Aさんと恭平くんってなんかあったんですか？」

質問を投げかけて誤魔化す。

『いや？別に何もないよ。
なんか私にはあんまり彼女知られたくない感じなんちゃう？』

詳しくは知らんけど、なんて呆れたように話す彼女はどこか寂しそう。

恭平くんは特定の女の子を作るイメージなかったから
今回、俺らの同級生と付き合うことになって驚いてる。

どうも、見かけによらず猛アタックしたって噂やけど
どうなんやろ？

恭平くんがAさんに言いづらい理由は
なんとなくわかる気がする。

…本人は自覚してへんのやろうけど。

いや、それは俺も同じか。

自覚して認めてへんのか
自覚すらしてへんのか。

…俺は自覚が怖くて気づかんふりをしてるだけ。

『おーい、みっちー？』

恭平くんたちの前で手を繋いで見せたのは
恋人っぽく見せたかったから。

Aさんが意識してくれたらなって思ったから。

まあ…本人はこれっぽっちもそんなこと思ってなさそうやけど。