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、
side大吾
あの日の帰り、丈が俺にだけ聞こえる声で
「悪い、大吾」
そう呟いた目線の先には彼女がおって
それ以上の言葉がなくても、すぐに察した。
「お前も、ただ気にいってるだけちゃうんやろ？」
「…まあな。譲らへんから」
あいつが仲間に入ればいい、
漢組の雰囲気が良くなればいい
それは叶って。
でも、それ以上の
俺単体の欲望が湧き上がってきているのは確かだった。
他の奴らと仲良さげに話しているのをみると
モヤモヤする。
仲良くして欲しいと思っていたのに
いざ、そうなると
俺はそれ以上の関係になりたいと、そう願う。
彼女に惹かれているのは間違いない。
丈がそんな感情を彼女に抱くことは想像していなかったから
余計に焦るが、
他の奴らの想いも探る必要があるな、なんてぼんやりと、考えていた。
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作者名：Runaaaaa
| 作成日時：2020年11月6日 23時
