浪速漢組の青春物語3 (ページ17)

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「あら、なんか久々にいっぱいきた」

流星の家に着くと、救急セットを持って
流星のお母さんが待ってくれていた。

『あの…はじめまして。室Aです』

玄関の前で藤原さんにおろしてもらい、
脚を引きずりながら流星の家の中に入り
お母さんに挨拶をする。

「こんにちは。いつも流星がお世話になってます。
…ってそんなんあとにして
あなたも手当てせなっ」

顔にも数箇所の怪我、そして靴を脱げば
案の定、靴下に染みている血。

そのままリビングに通してもらうわけにも行かず、
流星が廊下に持ってきてくれた椅子に座って手当てを受ける。

「はい、これで良し」

『ありがとう。流星上手やね。
いっつもみんなの手当てとかしてたん？』

「そう。大ちゃんとかしょっちゅう来てた」

流星のお母さんは昔、看護師をしていて、
その技を流星は教わっていたのだという。

「さあてと、晩御飯食べていくやろ？
お母さん買い出ししてくるから」

流星のお母さんは

"その間にちゃんと話しいや"

と私たちの雰囲気を悟ってなのか

そう言い残して買い物に出かけた。