浪速漢組の青春物語3 (ページ15)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:185,820 hit

115 ページ15

、

「…もう俺はお前を忘れるから
お前も忘れてくれ」

大橋さんが頭を下げると

「…ふん。そんな頭下げられなくたって
あんたなんかっ」

そう言いながら、この倉庫から出ていった大橋さんの元カノ。

わからへんし、それを口にするつもりもないけど

きっと大橋さんに未練があったんやろな。

金に目が眩んで利用したけど
いざ自分が利用されてると知って陥れられて初めて
純粋に愛してくれていた人のありがたみを知った。

その気持ちが歪んだ方向に行っちゃったんやろな。

『とりあえず…二人の手当てせな』

私が長尾くんの腰を支え、外へと向かおうとするも

乱闘中のようなアドレナリンが出ていないからか
思うように足に力が入らず、進めない。

「僕に任せて」

あの女と入れ替わりで入ってきた流星が
私の代わりに長尾くんに肩を貸す。

きっと、
外で見張りをしてくれてたんやろな。

『ありがとう』

「A！みっちー！歩けるか！？」

心配そうに眉毛を下げて
私とみっちーの元へやってきた恭平。