浪速漢組の青春物語 (ページ24)

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『ってなわけで龍太
私やっていける気がせえへん』

「お前アホやろ」

仕事から帰ってきた龍太に

室家の人間だとバレていて
朝から絡まれたこと

不良集団の居ないところを選んだつもりが
いる方の学校だったこと

その人たちにも目をつけられ
喧嘩をしたくないから断ったが
仲間にならないかと言われたこと

その中で私を仲間にしたくない人もいて
仲間割れが起こりそうになっていたこと

を全て話した。

『やっぱ関東にすべきやったかな』

関東なら流石に
室家の名前も知られてないやろうし…

「そーいう噂って
ほんまどっからかまわってくんねんって
何回も言うたやろ」

『そうやけどさ。

そもそもは喧嘩しまくってた
龍太たちのせいなんやからな』

「まあほんまに俺らのせいやからさ
こんなこと言うのは無責任かもしれんけど

一人で危ない目に合うより
俺はそいつらと仲間になって
守ってもらうのもありやと思うで」

真剣な顔して言ってくる龍太は
お兄ちゃんの目をしている。

『守るとかではなさそうやけどな…』

「そのなかで
お前のこと守りたいと思うやつが出てくるかもしれへんやん」

『何を期待してるんさ』

確かに、京都では
つるんでる人らはおったけど
仲間って感じの人間はおらんくて

独りぼっちやったから

仲間が羨ましい、とは思うけどな。