浪速漢組の青春物語 (ページ17)

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、

side流星

俺らが話しかけたら
絶対警戒すると思ったけど

笑顔で返事をしてきたから
あ、と一瞬言葉に戸惑う。

「あのさ、ちょっとこのあと時間あったりせえへん？」

仲良くなりたい風に誘いかけてみると

『あ、えっとごめん』

用事あるねん、と申し訳なさそうに断られる。

なんか、室三兄弟の妹って聞いてたし
もっと怖い感じやと思ってたから

イメージと違って、一瞬人違いなんかな？と考えてしまった。

「用事の前に、ちょっとだけ
顔かして」

ちょうど良いタイミングで
３年生組が俺らの教室のドアの前に立っていて

大ちゃんは
そこから室さんに声をかけた。

『…無理ですって』

大ちゃんたちの姿を見て
声のトーンが下がり
警戒心を剥き出しにし始めた彼女は

鞄を持って
大ちゃんたちの居ない
前のドアから立ち去ろうとする。

「もーほら長尾が寝てるから遅れた」

「ギリギリセーフ？」

彼女の前に立ちはだかるように現れたのは
１年生組で

彼女は行き場をなくし、

はあ、と大きくため息をついた。