浪速漢組の青春物語 (ページ9)

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、

side道枝

大吾くんは可愛い顔やけど
この辺の不良の中で群を抜いて強いだけあって

ふいに見せる表情や雰囲気がすごく怖くて
目が合っただけで少し丸まっていた
背中がスッとのびる。

「長尾と道枝、室兄弟知ってる？」

「ああ、室兄弟って
確か京都の伝説のヤンキー？とかっすよね？」

大吾くんの問いに長尾はすぐに返事をする。

俺も

「知ってます、有名ですよね」

長尾に続いて返事をする。

でも、室兄弟はとっくに喧嘩の世界から
退いたはずやのに

今更なんやろう。

「こいつらのクラスに入ってきた転校生、

室兄弟の末っ子の女の子やってん」

丈くんが、こいつら

と項垂れる恭平くん
その横で神妙な面持ちの流星くんを指差す。

「え、京都におったはずちゃうんですか！？」

長尾が驚いて声を上げる。

「うっさいねん、お前。

ちょっと調べさせたら
どうも次男が大阪で仕事してるらしくて

妹もきたらしい」

さすが情報が早い。

室兄弟の次男が大阪にいるって
噂は聞いたことあったけど
まさか、妹が編入生としてここにくるなんてなあ。

「それで、それがどうしたんですか？」

室兄弟の末っ子がきたって別に
俺らに関係はないだろうと考えたいた俺は

彼らが頭を悩ませている理由を
説明してもらうことにした。