▽ お家きました ¨takahashi¨ rq ページ10
〔 takahashi side 〕平北パンダ 様 ＿ rq
恭「 グレープフルーツ買ってきました〜 」
「 靴そろえて 」
恭「 あ、すいません 」
はじめて入らしてもらうAちゃんの部屋
中に入るのは初めてで、
ちょっとだけ緊張してしまう
昨日のやり取りでは嫌がってたけど、
なんだかんだで結局
中に入れてくれるあたり優しいよなあ…
.
「 せっかくの休みやのにー 」
恭「 いいじゃないっすか、うるさくしませんから 」
「 まあ、はっすんとかに比べたらね 」
どこ座ってもいいよ
と言ってくれるAちゃんに促さらて、
遠慮がちにソファの端に座った
「 そんな端に座らんくていいよ 」
恭「 Aちゃんどこ座るんすか 」
「 へへ 、わたしはここー 」
たぶん普段使ってるんやと思う
丸いクッションを抱いて、
俺の左向かいの床に座るAちゃん
.
恭「 隣きてください 」
「 ここがいい 」
恭「 今日はデートっすよ？ 」
「 ここはわたしの家 」
恭「 かわいくないっすねー 」
冗談交じりにそう言って笑ったら、
気持ちいいぐらい穏やかな時間が流れた
.
恭「 一人暮らしさみしくないですか？ 」
「 20歳になったら実家を出るのが
うちの家のルールやから慣れるしかないかな 」
恭「 じゃあほんまはさみしいんですね 」
「 どうかなー…あ、飲み物出してなかったね 」
逃げるようにそう言って、
立ち上がってどこかに行こうとするAちゃんに、
あんまり聞かん方が良かったかななんて思いがよぎる
.
「 ごめんー、お茶しかない 」
恭「 全然大丈夫っす 」
そう言って机に置かれた
柄もなにも書かれていない透明なふたつのコップを
思わずぼーっと見つめてしまう
.
「 どうしたん 」
恭「 シンプルなんすね、使ってるコップ 」
「 なにー、なんか文句あるんー 」
恭「いや、ないっす 」
お世辞にもかわいいとは言えんコップやけど、
それがむしろ
恋人がおらんことを証明してるみたいで、
自分にもチャンスがあるんやななんて思う
.
.
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作者名：オカユ
| 作成日時：2019年7月11日 17時
