▽ 02 ページ22
〔 fujiwara side 〕
『 Aちゃんのことをバックハグしてもらえる？ 』
ふたりしてセットの床に座って、
言われた通りAを後ろから抱きしめた
いい匂いするなあとか思うけど、
当のAは緊張がとれてへんのか表情がかたい
『 Aちゃん、大人な感じの表情もらえる？ 』
「 わかりました…っ、 」
前々からAって、
ウブなんかなって思うことあるんよな。
この前、Aが後ろを向いた時に
真後ろに恭平がおって顔が近かった時もめっちゃ焦ってたし、
レッスンしてて汗かいた服を着替えようとしたら
あからさまに目そらしたりするし。
今の返事やってめっちゃ細いし。
.
丈「 A？ 」
「 丈くん… 」
丈「 俺がおる、大丈夫や 」
「 うん… 」
普段やったら絶対にしやんけど、
後ろから抱きしめながら
安心しいって意味で頭に手をのせたら
Aの肩の力がすーって抜けていった気がした。
それと共に聞こえてくるシャッター音
.
『 じゃあ次！寸止めでいいのでキス手前までいけますか？ 』
丈「 わかりました 」
目が合うように向かい合わせに座って
Aの顎を引き、腰に腕を回し引き寄せて
キスしてるように見えるぐらい顔を近づけたら、
それだけでギュッと目を瞑るAの姿。
寸止めや言うてんのに、
こんな姿見せられたらほんまにしたなるやんか…
『 そのままキープでお願いします！ 』
「 ……っ、 」
丈「 目あけて？ 」
「 むり…ちかい、恥ずかしい… 」
丈「 一瞬でいいから 」
そう言ったら、
ゆっくり目を開けてくれたはいいけど、
上目遣いはあかんやろ…
こいつ、素でこれなん？それか計算？
こんな状況で計算は無理やと思うけど、
素なんやったらタチ悪いって…
.
『 次、丈くんがAちゃんのシャツを
脱がせるような感じでお願いします！ 』
ボーッとしかけてた頭を
冷ますようなタイミングで飛んできた次の指示。
て、これA大丈夫か…？
.
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作者名：オカユ
| 作成日時：2019年6月17日 17時
