▽ 無理なものは無理 ¨ohashi¨ ページ16
〔 ohashi side 〕
和「 あー、またそのまま寝てるやんか 」
いつもと同じ丈くんとAと俺で
同じ楽屋ってことで入ったら、
寝息をたててるAがおった。
丈くんもまだおらんし、起こさへんように
タオルケットをかけるために近くに行ったら、
ぐっと引っ張られて
俺の腕をすりすりと撫で始めるA
「 もちパン〜… 」
夢見てるやん…
.
和「 もちパンちゃうねんけどなー？ 」
俺の腕を嬉しそうにすりすり撫でるAの
ふにふにしたほっぺをちょんちょんってつついたら、
それに反応するように口角を動かすA
和「 かわいい子やわ、ほんま 」
今じゃ同じグループにも選ばれたけど
昔からユニットとして活動してたこともあって、
誰よりも同じ時間を過ごしてきたし、
誰よりもお互いの成長を近くで見てきた。
「 もちパン…っ、ふふ 」
ユニットとして活動し始めた頃は、
お互い17歳の高2やったこともあって
勉強を教えあったりテスト勉強を一緒にしたこともあった
返却されたテストを持ってきて、
欠点なかったー！って喜びあってハグしたり…
たぶん、Aとの思い出は誰よりも濃い
和「 あ、起きた？ 」
「 っ、はっすん…！ 」
和「 Aが俺の腕をもちパン言うててんでー？」
「 うっそ…ごめん 」
和「 えーよ 」
トイレーって言いながら
楽屋を出るAを尻目に、
Aを独り占めできたら
どんだけ幸せなんやろうなんて思う。
そういう感情を持ったらあかんって
頭ではずっと分かってたけど、
自分の理性を抑えることはできんかった。
和「 …しんどいなあ、」
思わずそんな言葉ももれてしまう。
¨ ここにおる限りはそういう目では見やん ¨
いつかの会話の中でAが言った言葉。
まだ告白もなんにもしてないのに
遠回しに可能性がないって言い切られたようなもん。
でも諦めきられへんのが男の性なわけで。
.
「 トイレどこやったか迷った 」
和「 いつも来てるスタジオやんか 」
「 寝起きやったからかなー 」
和「 もー、アホやなあ 」
「 はっすんに言われたくないわあ 」
可能性がなくても諦めるなんて俺には無理やねん。
…ごめんな
.
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作者名：オカユ
| 作成日時：2019年6月17日 17時
