◎ 30 _ ページ30
.
云った 。
云ってしまった …… 。
云った後に
物凄い後悔が押し寄せて 。
ぎゅうと力を込めて抱き締めていたはずの廉の腕は
驚いた廉の顔と共に
あたしからは離れていて 。
目の前の先輩の顔は
それこそ一瞬
驚いたように動きを止めたけど 、
次に悲しそうな表情を浮かべた 。
先輩 ?
なんで ?
どうして ?
どうしてすぐに
“好きやで”って云って呉れないの … ?
「 先輩 … 」
あたしがそう 、
口を開きかけたときに 。
先輩もぽつり 、 と言葉を紡ぎ始めた 。
藤「 それ 、 さ 」
「 え ? 」
藤「 俺が聞きたいんやけど 」
そう云われて
思考回路が完全にストップしてしまって
くだらないことが気に成り始めた 。
あぁ、もうあたし
完全学校遅刻だな 。 とか
あたしって朝ご飯食べたっけ 。 だとか 。
そんなことを考えていないと
付いていけない 。
そんなあたしをよそに
先輩は続けた 。
藤「 Aは 、 どうなん ? 」
「 … そんなこと 、 」
藤「 俺のこと好きじゃないのは
Aの方ちゃうん ? 」
悲しい笑み浮かべながら
優しい口調でそう云われて 、
思わず涙腺が緩みそうになって 。
… あたしは 。
先輩が好きだったの 。
好きだったのに
素っ気ないから 、
あんまり愛情を示してくれないから 、
廉に 、 溺れた ?
俯くあたしは何も云えずに
ただただ
先輩の足元を見て
必死に涙をこらえていた 。
そんなあたしの洋服の裾を
静かに握ったのは廉で 。
藤「 無理して一緒に居らんでええねん 」
「 … 先輩 … 」
藤「 弟くんの方が好きなんやったら
そっち行ってもええねんで 」
普通 、
弟の方が好きだなんて云ったら
ただのブラコンだと思われても仕方が無いのに
先輩はそんなこと言わずに
優しく背中を押してくれて 。
先輩 、 ごめんなさい 。
あたし 、
「 廉が 、 廉のことが好きです … っ 」
廉「 … え 」
.
2547人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなみ - とても面白い作品をありがとうございます!れんれんかっこよすぎだし、かわいすぎだし、部屋でニヤニヤしながら読んでますw←ヤバいやつw (2019年12月22日 18時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - ほんまに面白かったです!ww E-girls好きなんですけど流星くんさすがですね!ww応援してます!これからもいい作品を生み出してください!ww (2019年4月10日 15時) (レス) id: 9173592e39 (このIDを非表示/違反報告)
Sana_JUMP _れんれんLove - とても良かったです! (2019年3月27日 22時) (レス) id: c50144e758 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - ここのコメ欄の人ノリよくて面白い笑笑でもほんまやばいですやん。りゅーせーとれんれんコラボとかまじうち得すぎて逝ってもーてんねんけど笑続編希望ですわ (2018年11月30日 22時) (レス) id: 29a6e26902 (このIDを非表示/違反報告)
道枝 LOVE 一生担当 - 凄く面白かったです! 道枝君のも作って頂ければ嬉しいです 宜しくお願い致します。 (2017年8月24日 22時) (レス) id: 7ab860bff3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:平野りら 〆. | 作成日時:2013年9月9日 20時