「 他じゃ物足りないんちゃう ? 」 ** Nagase Ren :) 完結 。

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藤「 何其れ 、 蚊に刺され ? 」




「 ひうっ !! 」




藤「 ひうって 。 どんな声やねん 」





軽く先輩につっこまれ
あたしは恐る恐る 、 先輩に向き直る 。



… 蚊に刺されとして 、 捉えてくれた 。



ふう 、 良かった … 。






次の日学校にて

あたしはびくびくしていた 。


首元に堂々目立つような絆創膏を貼り
しきりにそこを撫でていたあたしは 、

優花から見ても不自然だったらしく 。




優花にはすぐ 、 勘づかれた 。





“遂につけられちゃったかー 先輩に !”









… いや 、 弟なんだよなあ
悲しいことに 。







藤「 其処さされるとか どんだけ鈍いねん 」




「 にぶ … !? 」




藤「 絆創膏貼るほど 、 赤く成ったん ? 」







そして 先輩の細い指で
絆創膏をなぞられるから 。



途端に 猛烈な罪悪感 。





あたしは 、 先輩を騙してる … 。







藤「 A ? 」




「 あ 、 や はい ? 」




藤「 何か今日浮かない顔してる 」







そんなに解り易かっただろうか 、 あたし 。



唇を曲げ眉を寄せ
困ったように両頬を押さえるあたしの頭を

ぽん 、 と一回撫でた 、





撫でる 、 だけの 先輩 。







藤「 何かあったら云ってな ? 」




「 …… はい 、 」




藤「 ん 。 いーこいーこ 」







わしゃわしゃとされるけど

前のあたしだったら喜んでた 。




でも 、 先輩 。
それだけじゃ物足りないです 。






… なんて 云っていいのやら …

盛ってる
だなんて思われたくないし 。







「 うぅ …… 」







あたしはもう既に
心も躰も 、 廉に支配されてしまってるのかもしれない 。



そしたら先輩とは …







「 …… 頭痛い … 」






そんなこと考えて
早退した 、 あたし 。









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