Osmanthus (ページ9)

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東京から大阪に帰ってきて何日か経った

ということはクリスマスが近い訳で

この時期になると聞こえて来るクリスマスソングが

イルミネーションだけでなく、歩く人をも輝かせる

あれから大ちゃんとは特に何もない

特に何もというより、本当に何もない、

年末だからしょうがないんだろうけど

連絡の頻度すらも少なくなってしまった

お昼と夕方に返ってくる２回

ウサギのご飯回数と同じらしい

昨日に関しては夕方しか返ってこなかった

もう飽きられてしまったのだろうか

ほんまは最初から好きちゃうんかったんちゃう？なんて

人から言われたくはないことを

平気で頭の中で再生させながらPCに文字を打ち込む

私にだけ聞こえる悪魔の囁きである

和「A〜？」

ふと隣のデスクから声が聞こえて、

PCを見つめながら後ろ姿でも分かるように首を傾ける

『はーい？』

和「クリスマスはほんまにあっち行かんの？」

『行かんよ〜、やから先週有給使ったんやし』

そう笑いながら和也の方に顔を向けると

なんとも言えない表情でこちらを見ていた

因みに、大まかな話は聞いてもらっているので

なんとなく可哀想やなとか思ってるんやろな

『大丈夫、和也が思ってるより全然元気やで私』

ありがとう、そう言ってまたPCと睨めっこ

和「じゃあさ、クリスマスパーティーおいでや！

おいでやっていうか連れてくけどな！」

強制なんや

でも別に予定もないし、

『じゃあ行こうかな〜』

和「よっしゃ！絶対楽しいで〜」

一応彼氏さんに言うときな

って言葉を残してデスクに向き直した和也

気遣いの出来る優しい同期

お母さんにしたいです