第8話 ページ31
西畑side
？〈あれ？君らどこ行くん？〉
すれ違いざまに声をかけられてハッとする。
振り向くと、俺より少し背丈が低い男性。
茶髪で可愛らしい顔面をもち、チャラい見た目をした人。
首からは名札を下げたスーツ姿。
「末澤先生っ！？」
末澤誠也先生、某大学から教育実習で来ている。
関西出身ゆえなのか、時折、関西弁が混じったような話し方をするから、妙に親近感を持ってしまう。
可愛らしい見た目からは想像できないくらい毒舌で俺ら生徒からは《狂犬》と呼ばれている。
hs〈あぁ〜、ちょっと買い出しに行くんです〉
se〈…のわりには薄っぺらやな？財布持ってそうにもないけど？〉
自分の前ポケットをぽんぽんと叩いてそう主張する彼の言葉にドキッとする。
確かにポケットにはなにも入れていない。
se〈サボりかぁ〜？〉
見抜くような視線を注がれ慌てふためく俺らについに末澤先生は吹き出した。
se〈ふはっ！ええよええよ？お前らの先生には俺から上手く言っとくわ。はよ行き〉
教育実習生らしからぬ言葉に唖然とする。
どうしてこうもすぐ許してしまうんだろう。
se〈俺はサボり常習犯やったから、サボり云々で注意したりせえへんよ。それにお前らの場合、なにか理由がありそうやし〉
ふふっ、と含み笑いをこぼす彼に驚く。
意外とよく人を見とる。
先生を目指すのも分かるわ。
ng〈ほんまにええんですか？〉
se〈ええよ、行ってきぃ〉
on〈ありがとうございます！みんなはよ行こう！〉
「っ、あぁ。おん…」
こんなあっさり承諾をもらえたことに引っかかりを覚えた。後ろ髪を引かれる思いを残しながら、はっすんを筆頭に校外を目指す。
─さて、お手並み拝見といこうかな…？─
そんな言葉を呟いているとも知らずに…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばばっと(プロフ) - 塩麹さん» 塩麹さん、おはこんばんちは！本当ですか！？めちゃくちゃ嬉しいです。これからも更新、頑張らせていただきますm(_ _)m (2022年8月7日 21時) (
レス) id: 8c5ef1e166 (このIDを非表示/違反報告)
塩麹 - この話気に入りました。更新頑張ってください。 (2022年8月5日 21時) (レス) @page23 id: 7a9ca8a83a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばばっと | 作成日時：2022年7月11日 14時
