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ある日のこと、突然魔物の噂が入り込んでいた。隣の村で吸血鬼が現れて村を襲ったらしい
「吸血鬼かぁ…冷静じゃ居られねーかもな」
「今日も行かれるのですか？」
「あぁ、もちろん。今日は手荒くなって洗濯が大変なことになるかもしれないけど頼むわ」
「洗濯は構いませんが…今回の吸血鬼はとても強いと聞きました。どうかお気をつけ下さいませ」
心配げに言うシスターに軽く頷き、足早に吸血鬼が消えていったと言う森に向かった
「みぃつけた」
日光から逃れるためかフードを目深に被った人影。微かな魔力を感じるから吸血鬼で間違いないだろう
そっと銀の剣を構え近づき、背後から心臓を一思いに突き刺す
「っ！…やったか？」
ばたりと倒れた吸血鬼から「ぐっ！…はぁ、はぁ」と苦しそうな呻き声が聞こえる
「俺の教会の領土に現れるなんて馬鹿なやつだな。ここらの魔物は俺が倒してるって聞いてねーの？」
そう言いつつ死に顔ぐらい拝んでやろうとフードを目捲ったとたん、息が止まった
「…A？」
長くなった髪。薔薇色の唇から覗く尖った牙。俺とお揃いのエメラルドの瞳は、ルビーのように赤くなり、顔つきも大人っぽくなってはいたけど、間違いない
俺が10年間忘れることがなかった顔がそこにあった
「あっ、や、A、Aなのか？」
傷口を広げないようにそっと剣を抜き、慌てて止血をしながら問いかけてみる
「ワ、タル？」
虫の息で答えた声はあの頃と変わらないままで、彼女がAであることを物語っていた
「Aっ！ごめ、ごめん、俺こんなはずじゃ…！ずっとお前のこと探してて、お前の敵をうちたくて、お前のこと守れるような男になりたくて、っ！それなのに」
「もう、ワタルは泣き虫だね。昔から」
Aのほうが辛くて痛いはずなのに俺ばかり泣いてしまう
拭ってもとめどなく溢れ出る滴が赤と混ざる
彼女の胸から咲く紅い花がじわじわと俺の服にまで広がり、嫌でも彼女がもう長くないことを悟らせる
「最期にあえて良かった…自分を責めないでね、ワタル」
大好き
彼女はそう言い残して光の粒となって消えていった
「俺は、愛してるっ、昔も今も！！」
あぁ、運命の神様はなんてイジワルなんだろう
最愛の人を奪い、この手で殺させるなんて
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あゆ(プロフ) - どのお話も切なくて、思わず1話読み終わる事に泣いてました…w最高でした！ありがとうございます…(´；ω；｀) (2019年7月25日 21時) (
レス) id: e76134e0bd (このIDを非表示/違反報告)
夏々 - まふくん……悲しすぎる(；_；) (2018年11月22日 23時) (レス) id: ca7b93074f (このIDを非表示/違反報告)
かのこゆり - かのこゆりです！天使病のお話を書かせていただきました。お褒めの言葉、ありがとうございます！緊張していたのもあり、正直あまり自信がなかったのですが、そういっていただけて嬉しいです。読んでくださり、本当にありがとうございました！ (2018年11月22日 4時) (レス) id: 459f75f8c6 (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - ぬこさん» 坂田さんの小説の作者、seraです。私の書いたものが良かった、と書いてくださったのでコメント返しさせて頂きます。そう言ってくださりありがとうございます。これからも私含め、他の作者様のこと、応援よろしくお願い致します！ (2018年11月21日 21時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 凄く感動しました。特に、坂田さんの入院(?)のやつと、まふまふさんの天使病のやつです。めっちゃ泣きました！これからも頑張ってください! (2018年11月21日 21時) (レス) id: 4fbcbbbe7e (このIDを非表示/違反報告)
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