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一瞬動きの固まった腕を振り退けて、カエデに駆け寄る。
何で、何で、何で、死んでるのに、死を感じないの！！！
渚「ここを離れよう！」
抱き上げて、負担のないように。
ケーキを莉桜に返しておいて良かった。もう結構崩れてるかもしれないけれど、あったら、多分、何かが違う。
貴方「殺せんせー」
黒に見えた。でも一瞬見えたその色は違ったから、きっと、大丈夫。
まあもしガチギレなら、鉛玉ぶち込んでやったけど。
光が集まる。
黒にも、白にも、赤にも、青にもなる。
殺せん「教え子よ、せめて安らかな卒業を」
衝撃で大地の盾に向かって吹き飛ぶ柳沢。
うん、あいつにはああいう無様で無念な最後がお似合いだわ。構ってすらやんねぇ。
消えていく。2代目の死神が。
教育は全てを変えてしまうのだ、本当に。
カエデを支える手で、けれど静かに、指先だけでも合わせる。どうか最後の手向けに、合掌を。
貴方「……先生」
カエデ。
千葉「寝かせてあげよう」
殺せん「降ろさないでください、Aさん。あまり地面の雑菌に触れさせたくありません」
貴方「……うん。汚れて欲しくない」
するりと頬を擦り寄せる。
殺せん「皆さん。失った過去は、決して戻ることはありません」
そう。何度も何度も失って来た。
殺せん「先生自身もたくさんの過ちを犯して来ました。ですが、過去を教訓に、繰り返さないことは出来ます」
貴方「なっ……！」
それ、それって。
赤いのとカエデを見比べる。そうか、そうか。だから死んでるのに死を感じなかっただ。死はあるのになんでかまだ先があったのは、そういうことだ。
カエデの体を先生が持っていく。
貴方「綺麗」
守るために、失わないために、積み上げられて来た技術は強い。
AB型だから血を取られつつ、その奇跡を動画に収める。
貴方「あっ……」
帰ってきた。
奇跡だ、本当に、奇跡。1度死んだのに。死んでたのに。
茅野「ガハッ」
人を何度も失って来た。大切な人が急に目の前から消えることも、大切な人を守れずに終わってしまったことも、大切な人に守れれてしまったことも。
それでもいつまでも慣れないのだ。
胸が張り裂けるような痛みに。
生きてて、良かった。
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swl(プロフ) - 安蒜 佑さん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです！今後とも拙作をお楽しみいただければ幸いです。 (2022年10月7日 18時) (
レス) id: 9ed30af1dd (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - すごく面白くてシリーズ一気読みしてしまいました！更新楽しみにしてます！ (2022年10月7日 1時) (レス) @page6 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mol/L | 作成日時：2022年9月30日 22時
