・ ページ27
万次郎「ケンちんはさ、昔っから言ったことは絶対守る奴なんだ」
一緒に天下を取ると約束した。だから、信じろ、と。
これだけ強い子だけど、でも、中学生がそれだけ強いはずがないのだ。
エマ「Aさぁん」
貴方「大丈夫、大丈夫。絶対に大丈夫」
日向「エマちゃん、座ろう」
エマ「うんっ」
エマちゃんを挟むように座る。横からエマちゃんを優しく頬を包み、コツリ、と額を合わせた。
貴方「大丈夫。絶対に。信じて待っててあげよう」
エマ「うん、うん」
貴方「大丈夫、大丈夫」
前世の話だ。
祖父の家に1人泊まっていた夜に強盗が入った。
祖父は幼かった私を守るために、私を押し入れの上に押し込んで、扉の隙間から見える場所で、強盗に殺された。
強盗も殺す気はなかったんだろう。見られて衝動的に。
お爺ちゃんを刺した後、錯乱し大慌てで帰って行った。
飛び出してお爺ちゃんに駆け寄って、怖くて怖くて。泣きながら、間違えて110に救急車ー!って叫んじゃったけどすぐ対応してくれて。
お母さん達も駆け付けて、待合室でずっと泣いてた。
大丈夫、大丈夫。ずっとずっとそう言われ続け、一定のリズムで背を叩かれ続け、何の確証もないのにそれだけで少し安心出来た。
結局お爺ちゃんはそのまま亡くなってしまったけれど。それでも。確証がない大丈夫でも、心はいくらか楽になるのだ。
ランプが消えて、立ち上がる。
モブ「一命は取り留めました。手術は成功です」
……良かった。
武道「よ、っっしゃあああああああああ!」
2人を抱き締める。
エマ「うわあああ! ヒナあああ、Aさあああん」
日向「良かった、本当に良かった」
やった、やった、と男子連中は喜びの騒がしい。
三ツ谷「外の連中にも知らせに行くぞ」
「「「「「うん」」」」」
ペーやん君だろう子が立ち止まっている。
三ツ谷君だろう子がドラケン君について話した。そう、そうだったんだ。友達想いで、凄く良い子。エマちゃんみたいな可愛い女の子が惚れるだけある男だよ。
三ツ谷「おかえり、ペーやん」
拗れなくて良かったね。
良い子達だ、本当に。
196人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
swl(プロフ) - 安蒜 佑さん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです!今後とも拙作をお楽しみいただければ幸いです。 (2022年10月7日 18時) (レス) id: 9ed30af1dd (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - すごく面白くてシリーズ一気読みしてしまいました!更新楽しみにしてます! (2022年10月7日 1時) (レス) @page6 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mol/L | 作成日時:2022年9月30日 22時