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万次郎「ケンちんはさ、昔っから言ったことは絶対守る奴なんだ」

 一緒に天下を取ると約束した。だから、信じろ、と。
 これだけ強い子だけど、でも、中学生がそれだけ強いはずがないのだ。

エマ「Aさぁん」

貴方「大丈夫、大丈夫。絶対に大丈夫」

日向「エマちゃん、座ろう」

エマ「うんっ」

 エマちゃんを挟むように座る。横からエマちゃんを優しく頬を包み、コツリ、と額を合わせた。

貴方「大丈夫。絶対に。信じて待っててあげよう」

エマ「うん、うん」

貴方「大丈夫、大丈夫」

 前世の話だ。
 祖父の家に1人泊まっていた夜に強盗が入った。
 祖父は幼かった私を守るために、私を押し入れの上に押し込んで、扉の隙間から見える場所で、強盗に殺された。

 強盗も殺す気はなかったんだろう。見られて衝動的に。
 お爺ちゃんを刺した後、錯乱し大慌てで帰って行った。

 飛び出してお爺ちゃんに駆け寄って、怖くて怖くて。泣きながら、間違えて110に救急車ー!って叫んじゃったけどすぐ対応してくれて。
 お母さん達も駆け付けて、待合室でずっと泣いてた。

 大丈夫、大丈夫。ずっとずっとそう言われ続け、一定のリズムで背を叩かれ続け、何の確証もないのにそれだけで少し安心出来た。

 結局お爺ちゃんはそのまま亡くなってしまったけれど。それでも。確証がない大丈夫でも、心はいくらか楽になるのだ。


 ランプが消えて、立ち上がる。

モブ「一命は取り留めました。手術は成功です」

 ……良かった。

武道「よ、っっしゃあああああああああ!」

 2人を抱き締める。

エマ「うわあああ! ヒナあああ、Aさあああん」

日向「良かった、本当に良かった」

 やった、やった、と男子連中は喜びの騒がしい。

三ツ谷「外の連中にも知らせに行くぞ」

「「「「「うん」」」」」

 ペーやん君だろう子が立ち止まっている。
 三ツ谷君だろう子がドラケン君について話した。そう、そうだったんだ。友達想いで、凄く良い子。エマちゃんみたいな可愛い女の子が惚れるだけある男だよ。

三ツ谷「おかえり、ペーやん」

 拗れなくて良かったね。
 良い子達だ、本当に。

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swl(プロフ) - 安蒜 佑さん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです!今後とも拙作をお楽しみいただければ幸いです。 (2022年10月7日 18時) (レス) id: 9ed30af1dd (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - すごく面白くてシリーズ一気読みしてしまいました!更新楽しみにしてます! (2022年10月7日 1時) (レス) @page6 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mol/L | 作成日時:2022年9月30日 22時

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