暗殺者の弟は泣き虫ヒーロー part１【東京卍リベンジャーズ×暗殺教室】 (ページ50)

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水深のある水場がトラウマだということは特には伝えていない。訳あってドクターストップが出ている、としか。
　このトラウマは私がわざわざ腕を隠さなくても、火傷痕を晒す必要性を消してくれた。

　さわ、とジャージとインナーの上から包帯を触る。
　ずっと巻かれている包帯の下には、小4の時女の子を火の海から助け出した勲章が眠っている。もう痛みは殆ど無いけれど、治すのにお金を使うほど余裕があるわけでも無いし、無駄使いを控えて痕を消す治療は行っていないからそのままだ。
　これくらいなら全然そのままでいいしね。

　私自身はそう嫌っては無い。女の子なのに傷が、なんて重くも受け止めてない。守れた証とすら思えている。
　わざわざ隠すのは聞かれたり、見られたりするのが面倒なだけ。
　だからドクターストップのお陰で非常に楽だ。

　しかし、流石はアニメの登場キャラだった子達。スタイルも顔も普通に良い。

倉橋「水かけちゃえ」
殺せん「きゃあ！」

　うん？
　ああ、そういえば、殺せんせーって水がダメなんだっけか。

　寺坂は最近どうも浮いていた。寺坂軍団は元々殺せんせーに反抗的だったのだが、そのうち2人が殺せんせーと距離を縮めると孤立するようになったのだ。

　殺せんせーへ暗殺を言い渡し、私達を横暴な態度そのままに誘ってどこかへ去って行った。
　そんな寺坂に周りは協力しようとは思えないのだが、鼻水を垂れ流す殺せんせーの方がどうも乗り気だ。

　ところで鼻水が滝のようになっている。秒で机の上に移動した。

　殺せんせーも勧めもあって私達はプールに集合していた。私は協力出来ないけれど、岩の上から見下ろして見守っている。
　何か嫌な予感がするんだよねぇ。

殺せん「この暗殺の後でゆっくり2人で話しましょう」

　先生は縞々の舐めた顔になる。沸点の低い寺坂は怒り心頭の様子だ。
　カチッと引き金が引かれた途端、破壊音と悲鳴。

貴方「なっ」

　水が流れ出し皆が流されていく。寺坂の顔を見れば驚愕、知りもしなかったのだろう。
　こいつ、何かに利用されやがった！

　こんなのアニメであったっけ。クッソ、何にも覚えない！

　お願い全員無事でいて！と駆け出そうとして、ピタリと足が止まった。