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やっぱりというべきか、なんというべきか。あの理事長もよくやるものだ。
直前に範囲が大幅に変わり、E組にはそれが通達されない。勿論、こちら側の不手際で、という形で。
先生も流石にこれで出ていくはずもなく、自分の責任だと落ち込んでいる。
赤羽「ねぇね、飛燕さん」
貴方「ん?」
赤羽「それ、貸して」
テスト用紙?
赤羽君の顔を見ると、何かを企んでいるらしい。オッケー、その何かにこれがご入り用なわけだ。
貴方「良いよ、はい」
赤羽「ありがと〜」
私と赤羽君自身のテスト用紙を持って立ち上がる。ついてこっと。
顔向け出来ないと曰う先生の後頭部にナイフが投げつけられた。
赤羽「良いの? 顔向け出来なかったら俺が殺しに来んのも見えないよ」
殺せん「カルマ君! 先生は今落ち込んでーーん? ぬおっ」
赤羽「俺ら問題変わってもカンケーないし」
あ、なるほど、理解理解。
貴方「私も〜」
皆が前に出て来て教卓を囲む。
赤羽「俺の成績に合わせてさぁ、あんたが余計な範囲まで教えたからだよ? だから出題範囲が変更されても対処出来た。だけど、俺はこのクラスを出る気ないよ。前のクラス戻るより、暗殺の方が全然楽しいし。飛燕さんは?」
貴方「私も戻る気ないよ」
赤羽「だってさ。で、どうすんのそっちは。全員50位以内に入んなかったって言い訳つけてここから尻尾を巻いて逃げちゃうの? それって結局さぁ、殺されんのが怖いだけなんじゃないの?」
ここまで来れば周りも彼の意図を理解し始める。
怖かったんだ、へ〜、などという煽るような言葉に合わせて殺せんせーはムキになったように答えた。
さあ、リベンジは期末テスト。
私達のリベンジは人生のリベンジでもなんでもないけれど、大事な大事な、リベンジマッチだ。
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作者名:mol/L | 作成日時:2022年8月3日 20時