暗殺者の弟は泣き虫ヒーロー part１【東京卍リベンジャーズ×暗殺教室】 (ページ6)

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猫と花ページ6

“私”が私となってから1ヶ月が過ぎた。
　病院は検査してすぐに退院出来たが、しばらく保育園もお休みして家で過ごしたりしてたよ。
　父親はちょっと過保護になってたが、まあ目の前で溺れて死なれかけたんだし仕方ない。元からして愛する妻の忘れ形見としてとても大切にされてたんだし。

　私が飛燕Aとして生活を始めて、まず初めにしたのは元のAちゃんから私へと近付けることだった。
　急に性格が変わったり大人っぽくなったんでは流石に不審なので、ゆっくり。今もまだ途中だが、これから私が私らしく2度目の人生を謳歌するために必要不可欠な下準備なので入念に行う。

　Aちゃんはあの人に憧れて変わろうと努力を始める前の私に良く似ていた。
　なんかぼーっとしてて、のんびりだらだら。どことなーく無気力で、流されるような生き方。

　良くあれだけぼんやりしてたものだと改めて思う。まあ変わっても本質は変われなかったけれど、にしたってやる気なかったなほんと。
　いやほんとに。なんたって気付いたら学校終わってたし、人の顔まともに見てなかったし、クラスメイトの顔と名前は最後まで全員覚えることなかったし。……我が事ながら凄いよ。

　まあそんな私に似てるんだから、兎に角ぼんやりぽけぽけした子だ。
　多分、お婆ちゃんと軒先でお茶しばいてるような子だ。目離したら転けたり、どっか迷子になったりしてそうなくらい頼りない。
　私もぼんやりしてたけど、この子ほど頼りない感じではなかった。
　あれ、これくらい顔が良くてこれだけ抜けてたらこの子大変だったんじゃ……？え、ちょ、私が入ってある意味良かったね？？

　衝撃的事実が発覚したけど置いておいて、取り敢えず私はぼーっとからちょっとずつシャキッとしている。
　今世普通にのんびり生きたいけど、流石にあれだけぼんやりちゃんだとヤバい。ヤバいよ。

　さ、今日の私の予定は散歩だ。Aちゃんの日課は散歩だった。私も散歩好き。散歩の時は何も考えずぼーっと出来るし、何かあれこれ考えてもいいし、景色を楽しんでもいいしと好きなことし放題だもの。

貴方「あ、猫」

　公園のベンチでちょっと休もうかな、と思ったら猫が擦り寄って来た。
　なんでか昔から猫に好かれるんだよね。他の動物は普通なんだけど。なんでだろう？転生しても変わらないらしい。
　まあそのお陰ですっかり猫好きだけど。可愛い。