▽05:セールスお断り ページ7
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門塀は鍵が閉まっていなかったので恐る恐る手をかける。誰かが私が来るのを知っていて開けていてくれたのだろうが。
まぁ入口付近でウロウロしてても仕方ないよな。
というか不審者だ。
女は度胸。さっさと突撃してしまおう。
うう…誰もいないといいけど。
一応おじいちゃんから送られてきた合鍵は持っているから入れないことはないのだ。
恐る恐るインターホンに手を伸ばす。
『ピンポーン』
1度目。反応はなし。
もう1回手を伸ばして押す。
『ピンポーン』
すると。
タッタッタッと人が歩いてくる音がして…
ガチャガチャと鍵の開く音。
勢いよく開いた扉。
「っあ!こんにちは___」
「___ちょっと、セールスお断りって書いてあるでしょ!」
私の慌てて頭を下げて言った挨拶と、
美しくも少し低めのテノールボイスが聞こえたのは
ほぼ同時だった。
「っへ?」
「なに?しつこいと警察呼ぶわよ」
想像してなかった言葉にバッと下げていた頭を上げると
思わず口をあんぐりと開けてしまうほどの美人がそこには立っていた。
……ん?待てよ?テノールボイス??
え、お、男!?
って違うそこじゃない!いや、そこもだけど!
もしかしなくてもセールスの人と勘違いされてます?!
「え!ち、違います!セールスじゃありません!」
「は?じゃあ何よ」
「き、今日からここでお世話になる管理人です!お話行ってませんか?」
一瞬キョトンとする美人さん。
数秒固まった後「…あぁ!」と口を開いた。
「今日から来るって言ってた新しい管理人?」
「そ、そうです!」
「あぁ、へぇ、アンタなの……
「あ、はい」
福蔵は私のおじいちゃんの名前。
必死に頷くと「へぇ、ふーん、そう。」と美人さんは納得してくれた様子だ。
よ、良かった〜。「何それ知らないけど?」とか言われたらパニックで泣くわ。
「なるほどね。疑って悪かったわ」
「あ、いえ、それは全然…」
「とりあえず入りなさい。ここだと目立つから…。
はい、ここ靴箱。アンタの場所ね」
「あ、ありがとうございます!」
あ、別に普通に話せば優しい人だ…
ちらりとその美しい顔を見ながら玄関の敷居をまたいだ。
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リゼ - 続きをお恵みください!お願いします! (2022年6月21日 8時) (レス) @page18 id: bd60c7e03e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - お帰りなさいです!こんなにお話が更新されてるなんて…!今までもこれからもずっと応援してます!更新頑張って下さいね!! (2022年3月13日 11時) (レス) id: 9f32c5ebed (このIDを非表示/違反報告)
水の光(プロフ) - みみっと様ぁぁぁ!!お帰りなさい!あなた様のお帰りをずっと待っておりました!通知来てるの見て飛んできました!!一気にこんなに更新してくださるなんて……!やっぱり神では?体調に気をつけて、更新頑張ってください!好きです!! (2022年3月10日 12時) (レス) @page14 id: d27a969936 (このIDを非表示/違反報告)
なづな - わぁ〜!!好きですッ!!(突然の告白)アイドルパロの作品も大好きですが、こっちのシェアハウスパロも好きです!!キャラ達がどんな職業に就いてるのかすっごく気になります。現パロ大好きな人間なのでどちらの作品も日々の癒しになってます(*´-`)応援してますっ!! (2021年4月7日 23時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
ニア - アイドルパロの方もすごくて好きですけど、こちらもとてもおもしろいです! (2021年4月7日 19時) (レス) id: 195fc26f4f (このIDを非表示/違反報告)
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