#109 白昼夢 ページ19
・
別に私だってただの人間だ。
プライベートで偶然会えた事を喜ぶファンに対して
御金言奉ることができるほど、人間出来ていない。
かと言って、じゃあ喜んでホイホイ着いて行けるかと問われれば、それも私のポリシーに反する。
まぁつまりは、ちょーめんどくさい頑固者なのだ。
｢ぷ、プライベートですよ…？ そんな時までアイドルして頂く必要ないです｣
｢別に、俺らがいーっつってんだから関係なくね？｣
｢い、いやいやいや！！ あります 大ありです！ 私がもし悪い人だったらどうするんですか！？｣
｢悪ぃ人って例えば？｣
｢と、盗撮したり… 会話録音したり…？｣
｢すんの？｣
｢しません…｣
｢じゃーいいじゃん。…2人に会いたくねぇの？｣
｢あ、会いたくないわけないですけど！！｣
この際、なぜフロイド君に私がファンだったことがバレているのかとか、
謎の認知を受けているのかとか、
何故ここまで熱心に誘ってくれるのかとか、
そういう疑問は一切置いておいて、必死に自分の欲望と葛藤する。
まぁたぶん、顔を覚えられていたのはいつもの気まぐれによるもので(フロイドファンの中では有名である、ごく稀に起こる一瞬の認知。いつまで認知されているかすら推定不可)特に気にする事はないと思うけど。
今はとにかく、この戦いを制さなければ！！
｢ふ、2人のことも…もちろんフロイドくんの事も好きです…！ だからこそ、その… 迷惑かける可能性がある事はしたくないって言うか…｣
｢……ふーん｣
｢ご、ごめんなさい。せっかくのお誘いを…｣
｢んー、別にいーよ｣
パッと下げていた顔を上げると…
目の前には綺麗な青と、
そして何故かほんの少し機嫌のよさそうな作りのいいお顔と目が合った。
｢アンタのそーいうとこ、皆好きなんだって。アハ、頑固だよねぇ｣
｢え？｣
｢まぁ俺はァ、特別扱いしたいんだけど｣
さらりと 長い指が私の髪を梳いた。
水の流れのような 海風の香り。 フロイドくんの、香り。
｢今日のカッコ、かわいーね。｣
｢っ！｣
｢似合ってんねそれ。いつもズボンで勿体ねぇなァと思ってた。 今度オレらんとこ来る時もスカートで来てね｣
ヒラヒラして熱帯魚みてー、と彼は笑った。
その笑顔があまりにも綺麗で____私の心臓がギュッと掴まれる。
あ、もう行かなきゃ。
また、近いうちに会おーね。約束。
繋いだ小指の感触は、本物だったのか白昼夢だったのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲羅(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！ (3月6日 23時) (
レス) @page44 id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
リーラ@9616(プロフ) - 更新ありがとうございますぅう！！この話好きすぎてあっという間に読み終わってしまいますwディアソの反応めっっっちゃ気になります！これからも頑張ってくださいっ！ (2月12日 20時) (レス) id: 3db718f3e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ディアソムニア握手会どんな反応なのかとても楽しみです！ (2月12日 12時) (レス) @page42 id: c59a6d75f0 (このIDを非表示/違反報告)
いな(プロフ) - 更新ありがとうございます; ;♡ (2月11日 13時) (レス) @page42 id: b119702f9a (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお(プロフ) - 陰ながらずっと待っていました…。更新ありがとうございます;;; (2月11日 1時) (レス) @page41 id: 5d13c7f91a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
