第三話 宛名。 ページ3
……ピロリロリン
静まり帰った室内に、響く機械音。
机の上におかれた携帯電話を、訳もなく睨む。
…Aが、マフィア。
考えたこともない。
何時も無愛想だけど、可愛くて和む彼女が………、悪。
確かに、あの底知れない身体能力も、感情が読み取りにくい瞳も。
全て納得がいく。
ただ、問題なのはそこじゃない。
問題なのは任務。
彼奴が正体隠して逃げたんなら、彼奴はもどらねェほうがいいんじやねェか。
頭の中はだんだんと困惑していく。
…ブー、ブー
突然携帯が鳴りだし、思わず飛び退く。
「な、何だ?」
携帯を手に取ると、画面には普段見ない文字。
【 青鯖 】
青鯖の……電話。
普段は絶対に出ないが、でないと取り返しのつかないことになりそうだった。
「もしもし…。」
「中也かい?大変なんだ。緊急事態だ。」
「あ”?此方もそれどころじゃねェよ。他をあたれ。」
「そう?別に私はいいんだけどね。ライバルが一人減るだけだから。」
「ってことは…Aか?」
「………気になる?Aが、行方不明になったんだ。」
「……ンだそれ……。」
時が止まり、動きも止まった。
……ただ、止まっている場合じゃない。
俺は走って、切れかけの太宰の電話から聞こえた声に反応した。
覚悟しとけよ。
A。
俺が全力で、(不本意だが青鯖と一緒に)
お前を捕まえる。
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音奏 - このような、素晴らしい作品を作れるなんてとても凄いです。続き、楽しみにしています。 (2019年4月28日 21時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
NOANOA - 頑張ってください! (2019年2月18日 21時) (レス) id: 5ebf48a5b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:如月あや | 作成日時:2019年2月16日 0時