【男主】Ωの俺がαの後輩に愛されるだけ【まふまふ】 (ページ9)

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９話ページ9

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ガチャっと重たい扉を開ければ晴れた空が一面に広がる。

今日は彼方が委員会の仕事で一緒に食べれないと聞いて、久々に屋上に来た。

「はぁー…やっぱりここはいいね……空綺麗だなぁ」

ぐーっと背伸びをして更にその上にあるはしごを登る。

ここにいれば屋上に誰か来てもバレないだろ。

ゆっくりとはしごを登った先には髪を靡かせて眠るイケメンがいた。

この学校イケメン多いなぁ…いや、俺の周りに多いだけか。

艶のある茶髪に整った小さい顔。眠っていることで更に魅力が感じられるその姿は普通の人間とはどこか違う。

「……せっかくだから写真撮っておこう」

携帯を向けて何枚か撮る。うわあ、俺の写真フォルダにイケメンがいる……なんかストーカーみたいだ。

フォルダを見て苦笑いしていると頭の上に影ができた。

「……うわぁ、先輩写真撮ったんですか…？」

「…っび、ビビるわぁ…いや、ちょっと撮りたいなぁと思っただけで、そんな引かないでよ…」

「………そうですか」

「そんな変に間を開けないで。あとすごい離れるね。悲しいよ……」

ズサァっと俺から離れた相川くんに半泣きだ。

体育座りで落ち込んでいると、すいませんと近づいてきてくれた。この子もしかしてＳかな…？心なしか楽しそうだよ…

暗い顔でパンの袋を開ける俺とは反対に、もう既にお弁当を食べ始めている相川くん。

……なんかもきゅもきゅしてて可愛い…っ

いつの間にか顔が緩んでいたのか相川くんにだらしないと言われた。

酷くないか…？

「……唐揚げ多…」

「え、嫌いなの？」

「いや、別に普通なんですけど…」

確かに大量の唐揚げが入っていた。

だが俺からしたらなんて素晴らしいお弁当なのだろうと思わざるを得なかった。

俺めっちゃ好きだし。

「……先輩、食べます？」

「え、いいの？」

「はい。さっきからめちゃくちゃ欲しそうな顔してたし…僕あんまりいらないので」

「………じゃあお言葉に甘えて」

そう言って箸をもらおうとしたのに相川くんはそれを無視して箸で唐揚げを掴んだ。

もしやあげるとか言っておいて目の前であげると思ったか馬鹿めみたいなことされるんじゃないだろうか

そんな馬鹿な考えをしていた俺の目の前に、相川くんは唐揚げを差し出した。

箸で掴んだ状態で。

「え、このまま食べるの？」

「？はい。早く食べてください。手が釣りそう…」

「ううん…わかった」

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