四十七話 破廉恥です! ページ10
「よいしょっと……主任ありがとうございました」
「あまり無理はするんじゃないぞ」
「了解です!」
結局車椅子では示しがつかないとかなんとか理由をつけて車椅子とはおさらばすることになれたが昨日転げたばかりということもあって主任が地下牢獄があるところまでおんぶしてくれることとなった。
新人の分際で主任におんぶされるのなんておそれ多いこと、誰にも話せませんね。
あ、でも羨ましがられたりするでしょうか?
……むやみに人に話すのはやめておきましょう。
あまり長くおんぶしてもらうのも申し訳ないので早々に下ろしてもらったが足は歩けないくらい痛いわけでもないので、この調子なら少しくらい歩いたって問題なさそうだ。
もし痛めたときは……うん、またその時に考えよう。
「Aちゃん、歩けそう?」
「ゆっくりなら大丈夫ですよ」
これもリハビリだと笑って答えると仁志さんはそっかと満面の笑みを向けてくれるがすごく眩しい。
仁志さんの笑顔はキラキラして本当に眩しいです。
サングラス買いましょうかね。
「あれ……犬ちゃん来たの?」
そう思っていると鉄格子の向こうから声が聞こえて少しびっくりしてしまう。
地下牢獄の囚人……いったいどんな人が、と目を向けるが私はすぐさま目元を手で覆った。
「主任!!服!彼、服着てないです!」
「ん?」
「は、ハレンチです!」
「落ち着け。634番はあれがいつもの格好なのだ……」
「目のやり場に困る格好ですね!」
じっと見たわけではないが半裸ということはわかった。
褐色肌で、なんかガタイがよくて…目のところに布のようなものが……ん?
「あの、もしかして……目が…」
634「ん?あー…うん見えてないよ」
「そうなのですか……」
とりあえず目元から手を退けはするが目のやり場に困る状態には代わりなくチラチラと見たりするが……うん、見ていられません。
破廉恥過ぎやしませんか?
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作者名:海月 | 作成日時:2021年10月10日 13時