検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:16,330 hit

バカと天才は ページ17

「荒波も!?」
「そりゃそうだ。自分で言ってたじゃん、笹原さんに声をかけてきたやつは姿が見えなかったって」
言ったような言ってないような……。

「とにかく、だ」
氷坂がわたしに厳しい視線を向けた。
「下手したら笹原さんがさらわれる可能性もあるし、気をつけろ」
「気をつけろって、あんた馬鹿じゃないの!?」

ノータイムで氷坂に突っ込む美香。
わたしはもう話についていけずにポカンとしてる。
「馬鹿とはなんだ」
「さらわれるかもしれないから気をつけろって言われても、そもそもそんな技術使われたら
気を付けるもへったくれもないでしょ!」
「……ふむ。確かにそうだな?」

言われてみれば、とでも言いたげな氷坂に
「初めからわかりきってるじゃない!」
噛みついていく美香。
わたしはどこから突っ込めばいいのかわからなかった。



―――――――



「……面白そうだねえ」
如月館の影に隠れた男がつぶやく。

片手にIDEAを持っていることから、彼もアイビスに関係がある人間だとはわかる。

「君は僕のお気に入りになってしまったようだよ、笹原さん……」
怪しげに笑う彼。
しかしその微笑は、どこからどう見ても完璧で美しい。

だがその微笑は、彼の本心ではないのだろう。
つかの間の美しい表情から一変し、鋭くとがった目つきへと変化する。
「邪魔者は消えちまえ」



―――――――



氷坂と美香のお笑いコンビのようなやり取りがひと段落ついたところで、わたしは言った。
「ね、そろそろ帰らない?」
全然気が付かなかったが、すでに辺りは薄暗くなっている。
「わ、もうそんな時間なの」
「……では、帰るか」

何か言いたげだったが、時間が時間ということもあり、わたしも美香も氷坂に何も聞かない。
「どうか無事で」
謎が残る一言を置き土産に、氷坂はさっさと歩いて行ってしまった。

オモテとウラ→←不可視化



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (192 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
76人がお気に入り
設定タグ:陰月。 , オリジナル , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

陰月。(プロフ) - まりもさんだぞっ(*`・ω・´)さん» 今更コメントお返しすみません。そうですね、あまり表情についての描写がないので取り入れていこうと思います。アドバイスありがとうございます! (2018年11月4日 18時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(*`・ω・´) - イベント参加有難うございます!、オリジナルとは思えないしっかりした設定がグットポイントです。あと私が思った事なのですが、表情も文に取り入れて見ては如何かがでしょうか?例えば、わざとらしい程に眉を垂れ下げた__とかですかね。投稿これからも頑張ってください! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - ファリスさん» コメントありがとうございます<m(__)m>アイデアはなかなか思い浮かばないので、かなり更新遅いですよ。文才も普通です(^^;土下座してまでお願いしないでいいですよ。誰もが個性を持っていれば、それは魅力的な作品ですから、ファリスさんも個性を持っていますよ。 (2018年8月7日 18時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
ファリス - 情報学がテーマの作品をはじめて読みました。オリジナルで書けるの凄いです!私にそのアイデアと個性、文才を分けてくださいお願いします( ノ;_ _)ノ (2018年8月5日 16時) (レス) id: 6040f0caed (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます。本当ですか?とても嬉しいです! (2018年7月22日 16時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:陰月。 | 作成日時:2018年4月21日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。