不可視化 ページ16
わたしは困って
「ひ、氷坂、いるんでしょ?」
まさか、氷坂が幽霊でわたしたちは幽霊を見ていた、なんて訳はないと。
ただ見えなくなっただけだといってほしくてそう聞いた。
「いる。ちなみに同様の作業を繰り返すと元に戻る」
「だったら元に戻ってよ!」
いつもは取り乱さない美香が必死な顔をして叫んでいる。
「鍋野さんうるさい」
いつも通りマイペースな氷坂がまた目の前に現れた。
氷坂はわたしたちを奥の方の部屋に案内した。
「とりあえず座って」
普段私たちが使う教室のような作りになっている。
美香の隣の席に腰を下ろして、氷坂に
「ねぇ、さっきのは何?」
と改めて問いかけた。
氷坂はIDEAを起動させてから、
「さっきの作業は物体を不可視化する。複雑な計算になれば、生命体さえも不可視化できる」
言いながらわたしと美香のIDEAに何か計算式を送ってよこした。
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vnfeebdg+ner-keiabv
hd26% fsfg7% meg9% mox7% mel34% fhs3% bk4& iuffsv10%
dentrensf xernon mlwork α fgononkey
・
・
・
aq cemist gtzber compole nucle
見ていて頭が痛くなってくる。
成績が下の中くらいの人間が、どうしてこんな複雑な計算式を理解できようか。できるわけがない。
美香に簡単に説明してもらうことにして、氷坂に向き合う。
「これがその計算式ってことだよね?」
「そう」
それ以外に何がある、と言いたげな顔をする。
いや、わかってるんだけど……。
「ちなみにそれが一番簡単な計算式。多分そこら辺にある半径十センチメートルくらいの物体なら
不可視化できる」
「どうやって?」
美香の研究心に火が付いたようだ。
美香は研究熱心で、知らないことがあるといつも理解するまで練習している。
「最後の等式部分に対象の物体の情報を打ち込むとできる」
「うわ、ホントだ!」
目の前にあった如月館のカギの情報を打ち込んでいた美香が、驚いて感嘆の声を上げる。
「これはすごいなあ」
「けど」氷坂は冷たい。
「これは危険な作業。ササハラさん、気を付けて」
わたしは氷坂の方を向く。
「荒波愼吾も、この作業を使える。高度な情報学の持ち主」
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陰月。(プロフ) - まりもさんだぞっ(*`・ω・´)さん» 今更コメントお返しすみません。そうですね、あまり表情についての描写がないので取り入れていこうと思います。アドバイスありがとうございます! (2018年11月4日 18時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(*`・ω・´) - イベント参加有難うございます!、オリジナルとは思えないしっかりした設定がグットポイントです。あと私が思った事なのですが、表情も文に取り入れて見ては如何かがでしょうか?例えば、わざとらしい程に眉を垂れ下げた__とかですかね。投稿これからも頑張ってください! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - ファリスさん» コメントありがとうございます<m(__)m>アイデアはなかなか思い浮かばないので、かなり更新遅いですよ。文才も普通です(^^;土下座してまでお願いしないでいいですよ。誰もが個性を持っていれば、それは魅力的な作品ですから、ファリスさんも個性を持っていますよ。 (2018年8月7日 18時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
ファリス - 情報学がテーマの作品をはじめて読みました。オリジナルで書けるの凄いです!私にそのアイデアと個性、文才を分けてくださいお願いします( ノ;_ _)ノ (2018年8月5日 16時) (レス) id: 6040f0caed (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます。本当ですか?とても嬉しいです! (2018年7月22日 16時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年4月21日 17時