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格上 ページ14

荒波愼吾と会話してから数日。
氷坂の発言も重なり、心がささくれ立っている気がした。

そわそわしていて落ち着きがないね、と美香にツッコまれるくらいに。

「玲香、氷坂がなんか連れてきてって言ってるんだけど……」
控えめに、様子を窺うように美香が近づいてきた。
「……何でまた」
「うーん、何か私も一緒に来いって言ってたんだけど、心当たりある?」

あったら困る。
そう返そうとしたとき、何か違和感を感じた。

「玲香?」
心配そうな声音で美香が顔を覗き込んだ。「氷坂と揉めたの?」
「いや、そうじゃないんだけど」
揉めている訳でもない。むしろ関わりなんて相変わらずほぼない。
「よし、じゃあ一緒に行くよ。」
「どこに行くの?」
んー、と美香は言葉を探すようにうなる。
「なんか馬鹿みたいに大きい建物」

美香に連れられてやってきた場所は、以前氷坂が私を連行したあの建物だった。
「ここ、名前ないのかな」
「あるのかそもそも」
「……名前よりさ、どうして氷坂がこんな場所に私たちを呼んだのか、そっちの方が気になる」
美香はピンと来ないみたいだ。

わたしは一度深呼吸をした。
間違いない、ここは荒波愼吾と出会った場所。

「……意外と早く来たんだ」
足音一つ立てず、気配を感じさせずに氷坂が現れた。
「ちょっと! 後ろから顔出すのやめてよ、ビックリするじゃないの!」
美香の怒りをスルーして
「中に入って」
時間がないんだ、と氷坂が呟いた気がした。

*→←通じないから!



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陰月。(プロフ) - まりもさんだぞっ(*`・ω・´)さん» 今更コメントお返しすみません。そうですね、あまり表情についての描写がないので取り入れていこうと思います。アドバイスありがとうございます! (2018年11月4日 18時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(*`・ω・´) - イベント参加有難うございます!、オリジナルとは思えないしっかりした設定がグットポイントです。あと私が思った事なのですが、表情も文に取り入れて見ては如何かがでしょうか?例えば、わざとらしい程に眉を垂れ下げた__とかですかね。投稿これからも頑張ってください! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - ファリスさん» コメントありがとうございます<m(__)m>アイデアはなかなか思い浮かばないので、かなり更新遅いですよ。文才も普通です(^^;土下座してまでお願いしないでいいですよ。誰もが個性を持っていれば、それは魅力的な作品ですから、ファリスさんも個性を持っていますよ。 (2018年8月7日 18時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
ファリス - 情報学がテーマの作品をはじめて読みました。オリジナルで書けるの凄いです!私にそのアイデアと個性、文才を分けてくださいお願いします( ノ;_ _)ノ (2018年8月5日 16時) (レス) id: 6040f0caed (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます。本当ですか?とても嬉しいです! (2018年7月22日 16時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年4月21日 17時

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