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友人 ページ3

教室から出ると、
「レイー、どうだったよ、テスト」
やたらハイテンションな声が追いかけてくる。


彼女の名前は鍋野美香。
ショートヘアがよく似合う、かわいらしい女の子。
「いや、もうずっと忘れていたい」

わたしがアイビスを受験した理由は、単純。
ここでしか学べないものを学びたかった。
周りは多分、情報学に興味がある、とか技術の向上、とかだろうけど。

だから、イレギュラーであることは明確だ。
美香はそんなわたしに、フレンドリーに話しかけてくれた。
周りと受験理由が違うこともあり、クラスで浮いていたわたしにとって驚きだった。
もともと、わたしの性格的な理由もあり、初対面の人とはなかなかなれない。


「ねぇ、ちょっとレイ聞いてる?」
我に返って美香の方を向くと、頬を膨らませてこっちを見ていた。
「あ、ごめん聞いてなかった。何?」
美香はポケットからゲームセンターのチケットを取り出した。
「今日、ゲーセンいかない?」
「いいよ、でも何でチケット?」

今、チケットを使うところなんか限られている。
物珍しさもあって、わたしはチケットをあらゆる角度から見回す。
「ゲーセン自体が古いからさ。今の情報化社会に遅れを取ってるんだよ」

美香はスキップで進む。
わたしは美香の後を、走って追いかけた。



ゲーセン、マスカレイドは混雑していた。
「うわぁ、平日のこの時間なのにすごいなあ。まだ四時なのに」
「四時だから混んでるんじゃないの?」
そっか、と美香は言って、店員さんらしき人にチケットを見せる。
すぐに入店できた。
「これ、入場料免除チケットなんだ」
なるほど。

美香は最近、ゲーセンで新しく入荷した景品が欲しいとずっと言っていた。
それで、テストも終わって解放された今日、行こうと思ったんだ。

空集合→←テスト



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陰月。(プロフ) - まりもさんだぞっ(*`・ω・´)さん» 今更コメントお返しすみません。そうですね、あまり表情についての描写がないので取り入れていこうと思います。アドバイスありがとうございます! (2018年11月4日 18時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(*`・ω・´) - イベント参加有難うございます!、オリジナルとは思えないしっかりした設定がグットポイントです。あと私が思った事なのですが、表情も文に取り入れて見ては如何かがでしょうか?例えば、わざとらしい程に眉を垂れ下げた__とかですかね。投稿これからも頑張ってください! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - ファリスさん» コメントありがとうございます<m(__)m>アイデアはなかなか思い浮かばないので、かなり更新遅いですよ。文才も普通です(^^;土下座してまでお願いしないでいいですよ。誰もが個性を持っていれば、それは魅力的な作品ですから、ファリスさんも個性を持っていますよ。 (2018年8月7日 18時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
ファリス - 情報学がテーマの作品をはじめて読みました。オリジナルで書けるの凄いです!私にそのアイデアと個性、文才を分けてくださいお願いします( ノ;_ _)ノ (2018年8月5日 16時) (レス) id: 6040f0caed (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます。本当ですか?とても嬉しいです! (2018年7月22日 16時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年4月21日 17時

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