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理想であり、逆さまな世界 ページ5

「何をそんなに悩んでいるんだい?」
突然声をかけられて、私たちは飛び上がった。


声の主である、男は笑っていた。
「そんなに驚かないでくれ。君たちをここに誘ったのは僕だ」
どういうことなのだろう?
「知りたいなら、僕についてくるといい」

男は、それだけ言い、去っていった。
「どうする、麻衣?」
麻衣は頷いて
「決まってるでしょ。あの男を追うよ!」
「ま、待ってよ麻衣!」
男の後に続いて、箸って言った麻衣を、私は慌てて追いかけた。





麻衣に追いつくと、すぐ隣にさっきの男がいることに気が付いた。
「来たんだね」
「だって、気になりますし」
そうか、と男は大声で笑う。
「じゃあ、約束通り、教えてあげるよ。この世界のこと」


私は、麻衣に目配せした。
麻衣も、私の意図が分かったのか、頷くと、男と少し距離を取って座った。
私も、その隣に座る。


「まず、この世界に気付いたのは、僕だ」
それはつまり。
「貴方、もしかして、その当時は一番若かった学者さん?」
「そうだ、なぜ知ってる?」
私たちは、先生に聞いたことを全て話した。

「なるほど、それならこの世界がある、という事はもう、現代には知れ渡っているのか?」
質問したいのはこちら側なのに、学者は間を開けずに聞いてくる。
「多分……。だって、貴方がいなくなったことは、その当時はニュースになって、大騒ぎになった
って先生から聞いていますし」
そうか、と言ったきり、学者は黙ってしまう。

*→←二つ目の世界



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陰月。(プロフ) - 花夢あかりさん» コメントありがとうございます<m(__)m>枯れた月、終わる世界が正直、一番ネタが重いのですが、あれも読んでいただけたのですね。 (2018年8月7日 18時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます<m(__)m>いえいえ、私はそこら辺にいる普通の人間ですよ。作品大好きと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年8月7日 18時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)
花夢あかり(プロフ) - 枯れた月、終わる世界と同様、内容が濃くて面白かったです。素晴らしいお話をありがとうございます (2018年8月1日 14時) (レス) id: 85985c784f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - これが初投稿ですか?化け物ですよ(いい意味で)訴えかける描写が素晴らしいです!応援してます、作品大好きです! (2018年7月28日 16時) (レス) id: da0149ea12 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 夏鳥さん» コメントありがとうございます<m(__)m>うまく言葉にできないのですが、夏鳥さんの解釈に近いです。 (2018年6月24日 15時) (レス) id: 6b87a378ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年1月14日 16時

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