106 ページ6
.
KO「いい刺激になるよね。」
「え？」
KO「たまにこうやって違う環境でライブすると。
すごくいい」
繁華街の灯りに照らされて、そう言うコウさんは、何かを思い巡らすような様子で、満足気に笑みを浮かべた。
そこに何か声をかけるのは無粋な気がして、そのままコウさんを見ていると、
視線を私の方に向けて、
KO「…昨日、テレビ局で見た、Aの彼氏のパフォーマンスも、すごく良かったよ。
さすがだと思った。」
と、微笑む。
急に"彼氏"と言われて、驚きや嬉しさや恥ずかしさで、顔が赤くなるのがわかった。
KO「一丁前に照れてる 笑 昨日は"都合の良い女かも"って言ってた人が」
意地悪そうに笑うから、やめてと抗議をしたところで、
ちょうど打ち上げ会場のある建物に着いた。
気付くと私たちは一行の一番後ろを歩いていて、
一足先に、建物の2階にあるお店の入口に着いていたアオイくんが、階段の上から、私たちに手を振る。
コウさんがそれに応えて、私の前に出て階段を上っていき、私はそれについて行く形になった。
あと数段で上りきるという時、
"ジミニの前から消えて"
背後から、低い声が聞こえて、
私は驚いて振り返る。
その瞬間、
強い力で後ろへ引かれた。
景色がぐるぐる回って
体に衝撃と痛みが走り、
私は階段を落ちていっていることを認識する。
KO「Aっ！」
「ゔっ」
ようやく回る景色が止まった。
コウさんたちが私を呼ぶ声が聞こえる。
それに応えたいけれど、脈打つひどい痛みで、声も出ないし、何もできなくて、
今落ちてきた階段の方に、視線だけ向けた。
階段をこちらへ向かって下りながら、氷のような目で私を見下ろす1人の女性と目が合う。
この人、確か、"ジミニ"って言った…
そう考えながら、その女性を見る。
徐々に意識が薄らいでいくのがわかる。
ぼやける視界の中で、
最後に聞こえたのは、
『ジミニのそばにいるのは、私』
そう囁く声だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1350人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuri(プロフ) - s2v1ovez3z3さん» こちらの方こそありがとうございます！最後捲るように終わらせてしまったので、不完全燃焼で書いてみました 笑 やっぱり甘いのが一番ですね♡ありがとうございました☺️ (2022年7月13日 0時) (
レス) id: b75d6993e1 (このIDを非表示/違反報告)
s2v1ovez3z3(プロフ) - 完結してしまったー😭私の楽しみがー😭と思っていた所に甘々なその後を書いて下さって本当にありがとうございます♡♡ (2022年7月10日 23時) (レス) @page31 id: 718f60282f (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - ☆サラ☆さん» ありがとうございす！そうなんです…書きたいなぁとちょうど迷っていたので 笑、まとまりましたら、アップさせていただこうと思います。ありがとうございます(T-T) (2022年7月3日 22時) (レス) id: 38d37401de (このIDを非表示/違反報告)
☆サラ☆(プロフ) - 完結おつかれさまでした。でもお話終わってしまったのが寂しいです😭番外編でラブラブに過ごす2人がまだ読みたいです。 (2022年7月3日 17時) (レス) @page26 id: 36e5a424ed (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - イズミさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます(T-T)こんな世界線あったらいいなと思って書いていましたので、共感いただけて本当に嬉しいです。ありがとうございました！ (2022年7月2日 16時) (レス) id: 6d0cac4372 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yuri
| 作成日時：2022年6月7日 23時
