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JM side




"階段から落とした"





顔を歪ませ、泣きながらそう言ったヌナは、



今は崩れ落ちて、床に座り込んでいる。





でも、それに手を差し伸べることはできない。





ヌナが、特別俺を気にかけてくれることは薄々気づいてた。



話しやすくて、優しいヌナに、何度も頼っていたのは事実。





『…ヌナのことはすごく信頼してて、何でも相談にのってくれるから、


俺も頼って、たくさん甘えてしまいました。


誤解させるようなことをしてしまって、すみませんでした』





ヌナは顔を上げない。





『ヌナが、俺のことを、そばで支えてくれようとしていた気持ちは、わかりました。


でも、すみません、



それは、ヌナの"エゴ"、です。




どんなにそばで尽くしてくれて、


寄り添ってくれても、



…彼女の代わりには決してなれないんです。



それは他の誰にも、できないことです。』





残酷な言葉を吐いているのはわかっている。



心が痛んだ。





そして、これから伝えようとすること、かけようとする優しさが、


もっと残酷なこともわかっている。



それでも、きちんと伝えたい。





『…ヌナ。


ヌナだって、俺にとっては、唯一無二の存在です』







ヌナが泣くのを止め、顔を上げ、こちらを見た。



しゃがんで、視線をヌナに合わせ、続ける。







『ヌナは、
 
彼女にも、家族にも話せないことも、わかってくれて、聞いてくれる。


こんなに心強い存在は、他にはいません。


本当に感謝しています。


ヌナは、信頼している仲間で、同志です。』





その瞬間、ヌナは、はっとしたような顔した。



その目にはまた、みるみる涙が溢れる。





ヌナは項垂れて、声にならない声で話し始めた。







YN『ジミナ…、本当にごめんなさい。



…私、彼女に…本当にひどいことをしてしまった。



彼女に謝らないと…』





JM『うん…』






ヌナはそれから、何度も謝り、泣き続けた。




手を差し伸べて、ヌナを支えることはできないけれど、




ヌナが『もういい』と言うまで、居てあげるくらいはできる。













どれくらいそうしていたかわからないけど、


しばらくして、ヌナは『1人になりたい』と言って、倉庫を出ていった。













ヌナを見たのは、それきりで、




何日か経って休職したと聞いた。







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yuri(プロフ) - s2v1ovez3z3さん» こちらの方こそありがとうございます!最後捲るように終わらせてしまったので、不完全燃焼で書いてみました 笑 やっぱり甘いのが一番ですね♡ありがとうございました☺️ (2022年7月13日 0時) (レス) id: b75d6993e1 (このIDを非表示/違反報告)
s2v1ovez3z3(プロフ) - 完結してしまったー😭私の楽しみがー😭と思っていた所に甘々なその後を書いて下さって本当にありがとうございます♡♡ (2022年7月10日 23時) (レス) @page31 id: 718f60282f (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - ☆サラ☆さん» ありがとうございす!そうなんです…書きたいなぁとちょうど迷っていたので 笑、まとまりましたら、アップさせていただこうと思います。ありがとうございます(T-T) (2022年7月3日 22時) (レス) id: 38d37401de (このIDを非表示/違反報告)
☆サラ☆(プロフ) - 完結おつかれさまでした。でもお話終わってしまったのが寂しいです😭番外編でラブラブに過ごす2人がまだ読みたいです。 (2022年7月3日 17時) (レス) @page26 id: 36e5a424ed (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - イズミさん» 大変嬉しいコメントありがとうございます(T-T)こんな世界線あったらいいなと思って書いていましたので、共感いただけて本当に嬉しいです。ありがとうございました! (2022年7月2日 16時) (レス) id: 6d0cac4372 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuri | 作成日時:2022年6月7日 23時

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