気になるYGのあの娘 (ページ37)

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「会って話したいことがある」

『…なにそれ、ちょっと怖いんですけど(笑)でも…会うって、いつ？』

「……わりぃ、それがまだ分かんねんだわ」

『ふーん…じゃー分かったら連絡してね、スケジュール合わせなきゃだから、なるべく早く』

「…あぁ」

離れていたことが嘘のように以前と何ら変らない俺たちの会話

一分も掛からない内にことが済んでしまう…

あっさりしてるというか、冷めているというか

でも必ず毎日声は聞いてる

…俺たち、ちゃんと想い合ってるってことでいいんだよな？

そんなことすら確かめ合うことができずに、忙しいからという理由でせっかく繋がった通話も直ぐに切らなくてはならない

Aも僅かな休暇を取っただけで、帰国した途端に相変わらず作業部屋に篭もりっきりで、合間をみてようやく少しずつメディアにも顔を出すようになった

会えない時間だけが増えていって、不安だけが募っていた前とは少し違って

Aからの連絡も増え、ほんのちょっとだけ頼りにされてるんじゃないかって安心できるようにもなった

少しぐらい寂しそうな声を聞かしてくれてもいいんじゃねーのって正直たまに思うけど、明るく伸びやかな声を聞くと上手くやってんだなって離れていてもそれが伝わってくるから自分のことのように妙に嬉しくなる

このまま…ずっとこれが続いていけばいいのに

小さな幸せではあるがそれが俺の、俺たちのささやかな願いでもあった