気になるYGのあの娘 (ページ18)

今日:4 hit、昨日:51 hit、合計:113,767 hit

18 ページ18

Aに出会えて、新しい夢ができて

Aが願う年相応の小さな願いすら何一つ叶えてあげられなくて

なのに文句一つ言わないから、それに思い上がって

ひたすら自分の夢の為だけに生きてきた

『今はグループが一番大事なの。それはユンギも同じでしょ？』

最後までお前は他の誰かのことを最優先に考えてるっていうのに

『ちょっ、ユンギ…』

「うるせぇよ、黙ってろ」

綺麗ごとばかり言うその口を塞いだ

もう何も聞きたくはない

どうせ答えは同じならばと

頑張れば、強くなれば、越えられないものはないと思ってた

だけど

どうにもならないことがこんなにもあるなんて

『ね、っ、…ユンギ、ベッド…』

「うるせー」

アレは…俺が誘ったのか、今でもよく分からない

わけが分からないまま、俺はAを無我夢中で抱いた

ちょっと行けばそこには広く深々としたベッドがあるというのに、狭く硬いその場所で

服だって全部脱がす間もなく最後まで

酷い奴だと罵ればいい

俺以外のことを考えないように

これが最後だというのなら

俺以外の男を見えなくしてやる

男なんて懲り懲りと思うほどに

そばにいてくれたのがお前だったから

ありのままでいられた

わがままも弱さも

二人たしかに素直じゃなかったけど

戻れる場所があったから離れてる間も平気だと思えた

お前が待ってるから

だからもっと高く、もっと高い場所へと登りつめなきゃって思えた

それが二人、幸せになる為だったはずなのに

俺のなかで何かが音を立てて崩れていった

何もかも全てが

いっそのこと煙のように消え去ってしまえばいい

切なく、苦しい恋なんか要らない