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『ねー、ユンギってばー』
「あー…」
夜景なんて…高層ビルから眺めれば景色なんていいに決まってるのに何でこんなにもはしゃげるのか理解し難い
『早くー』と急かされ、ますます見たくなくなる
それがAと二人で見る最後の景色だと思うと、この先同じような景色を見るたびに今日のことを思い出してしまいそうで怖いから…
どうせならそんなもん見ずに
互いに言いたいことを言い合って
それで喧嘩になったっていい
これ以上好きだなんて思いたくもないし
誰かのせいにして「そもそも付き合ったのが間違いだったのかもな」なんて最低なセリフ残して
それに納得するんじゃなくて
今までの思い出全部忘れたくなるくらい最悪な男として思ってくれりゃ、俺はそれでいいって思ってる
最後が最高な思い出じゃ、きっと前に進めたとしても、いつかきっと邪魔になるときがくるだろ?
そんな強がりとも言えるくだらないことを思いつつ、いざAの後ろに立てば
…やっぱり抱きしめたくなるもので
またするりと抜け出される前にぎゅっと手を前に組むようにして逃げ場を封じてみた
『…ユンギ?』
「んー?」
『ねーちゃんと見てる?』
「あー」
『嘘つき 笑 』
くすくすと笑う顔は見られないけど
いつもと変わらぬ素振りを見せられるたびに、こっちは嫌ってほど胸が苦しくなるし、どうしても離してやりたくなくなる
頭では分かっているのに…
Aがどんなに思い悩んで
ここを予約したのだって、叶えてやりたいこと結局何一つしてやれなくて
こんな俺が繋ぎ止める資格なんてないってこともホントは分かってるはずなのに
Aと居ると、どうしても鈍ってしまうんだ
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milk - 続き気になります!更新待ってますね! (2018年12月30日 14時) (レス) id: 800ebeaeb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nana | 作成日時:2018年10月2日 6時