僕らのホグワーツ青春譚 (ページ12)

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No.11 ページ12

リーマス side

数日前、髪を雑に切られたような彼女がエバンズに手を引かれているのを見た

彼女は困ったように笑っているばかりで、毎日綺麗に整えて結っている髪を切られて、あんなもんなんだから

ジェームズやシリウスを相手にしないのも少し合点がいった。シリウスなんかは逆にそれに対してイラついてたみたいだけど

もちろん止めるべきことだ、それでも彼女はエバンズやスネイプの前で変わらない笑顔を見せていた

強いんだな、と思った

ところがどうだ、さっき見た彼女はいつものように数日前見たのとは違ういつも通りの長い髪も、毎日変わるリボンも、汚れひとつない制服もびしょ濡れで、

大きな瞳から、ぼろぼろと透き通る水滴を、涙を、零していたじゃないか

どう見ても1人で、エバンズは一緒にいなかったみたいだし、寮の談話室へ向かおうともしていない

ジェームズとシリウスが毎日のようにちょっかいを出しているのは知っていたし、それのおかげで関係のない他寮の女子まで彼女をいじめているのは周知の事実であった

エバンズとスネイプ、それ以外の人と一緒にいるのをみかけない彼女

どうにも心配で、彼女の後を追った

＊

外でひとりちょこんと体育座りをしている彼女はぐずぐずと小さく泣いていて

『ゔー、、、りりぃ〜、、、、』

エバンズの名前を呼んでは手で涙を拭う

びゅう、と風が吹いた

もうじき十二月だ、入学から随分経った

そこまで冷たくもない風が、僕の頬の傷を掠めては過ぎていくが

そんな風でもひとつ吹くだけで肩を震わせる目の前の彼女

見ていただけで、ジェームズ達を碌に止められもしなかった僕が声をかけていいものではないけど

リーマス「、、、、、か、風邪ひくよ？」

彼女はゆっくりこちらを振り向いて、その整った顔の大きな瞳と目が合う

リーマス「A・Aさん、だよね？隣座ってもいい？」

僕がそう言うと彼女は戸惑ったように瞳を揺らしては

『あ、眼鏡くん達の、、、』

眼鏡くんというのはジェームズのことだろうけど、

リーマス「僕はリーマス、リーマス・ルーピン。好きに呼んでくれて構わないよ、」

そういって彼女の隣に座り込んだ