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小山side
｢けいちゃんがアンドロメダで、もしくじらにたべられそうになってるなら、
わたしがペルセウスになって、けいちゃんをたすけるっ｣
Aは寝ぼけてるのか、俺が握っていた手をぎゅっと握りしめて微笑む。
｢メデューサの目でくじらを石にして、けいちゃんを安心させてあげるの｣
思わず目が熱くなる。
そんなこと言われたら...
｢...Aがペルセウスなら、嬉しいのにな｣
助けを求めたくなっちゃう。
でも、
Aの言う、俺のくじらって何の事？
バイト？
家族？
俺が呑まれそうになっているのは、何？
ふと視線を戻すと、熱でふわふわしているのかあまり意識が無い様子のA。
一度冷静さを取り戻すと、そもそもAが体調を崩すことは滅多にないことを思い出す。
なにか余程のことがあったんじゃ、と不安になった。
｢ねぇ＿＿＿｣
｢あのね、
わたし、けいちゃんみたいになれるように毎日がんばってるの。
がんばってるはず、なの...
...でもね
わたしぜんぜんだめなんだ。
...けいちゃんみたいになれない｣
俺みたいに？
どういうことか聞いてみると、Aは涙目の悲しい顔をして、ぐっすり眠ってしまった。
すっかりぬるくなった熱さまシートを剥がすと、既に戻ってきていたさんちゃんが換えを持ってきてくれた。
｢Aな、授業出始めたんだよ｣
｢え！？Aが教室に？｣
｢慶一郎と大学に行くために勉強頑張ってんだよ。今まで甘えてばっかりだったから、自立したいんだってさ｣
俺と、大学に...？
でも俺は...
｢それに部活のことも頑張ってんだってこころが言ってたぞ。
慣れないことばっかで疲れちゃったんじゃないか？
どうやったら新入部員が入るかとか、苦手な予算の計算も＿＿＿｣
もう何も頭に入ってこなかった。
やっぱり、苦しめてるのは俺だ。
俺が全部投げ出したからっ...
Aの辛そうな顔を見て、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
Aらしくいて、いいのにっ。
｢少ししたらAの父さんが来るってよ。
...それとお前、お前らのあの約束、忘れたのか？｣
｢え.....約束？｣
約束って、
なんだっけ？
｢...俺、帰る｣
｢あっ、おい！｣
俺は荷物を持って家を出た。雪が降る寒い道をひたすら走る。
もう、限界。
もう最低な俺のことなんて、
俺の事なんてっ、
みんな、忘れてよ。
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紫翠(プロフ) - NEVERLANDさん» 最後までくじらを読んでくださってありがとうございました！連載中に頂いたコメントがとても嬉しくて励みにさせて頂きました。次回作もいい作品を作れるように頑張るのでこれからもよろしくお願い致します！ (2022年6月16日 0時) (
レス) id: 4b18fc0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
NEVERLAND(プロフ) - くじらの完結、おめでとうございます!お疲れ様です✨とってもこの作品が大好きです🍀これからも応援し続けていきます! (2022年6月15日 18時) (レス) @page49 id: 5a3474d11c (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - にゅすの さくらさん» さくらさん、いつもKasumi.を読んでくださってありがとうございます。いつも応援してくださっているおかげで何とか完結することが出来ました。最終章も楽しみにしていてください。頑張ります！ (2022年6月13日 0時) (レス) id: 4b18fc0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
にゅすの さくら(プロフ) - くじらの完結、おめでとうございます。更新の通知が来るたびにうれしくてすぐ飛んでいきました笑 途中私も苦しくなりながら笑、4人が幸せで何よりです。そして○さんのお話も楽しみにしています…！紫翠さんのペースでがんばってください！ (2022年6月12日 23時) (レス) @page49 id: 27805f29ab (このIDを非表示/違反報告)
紫翠(プロフ) - NEVERLANDさん» コメント嬉しいですありがとうございます！NEVERLANDさんの思いが伝わってきて私こそ嬉しくて泣きそうです：：Kasumi.これからもよろしくお願いします。 (2022年3月23日 2時) (レス) id: 4b18fc0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫翠 | 作者ホームページ：https://lit.link/shisui711
作成日時：2022年2月2日 0時
