４６ ページ16
.
コンコン
「はーい…………あれ、二宮さん？」
ーー試聴会が終わり、楽屋に帰って着替えた俺は、
Aの楽屋までやってきた。
「どーも、さっきぶり」
「あ、はい。お疲れ様でした。
えと、どうしたんですか？」
「んー、ちょっと、ね。中入っていい？」
「……はい」
そうして楽屋に通してくれる。
俺は端っこに座らせてもらって、また、口を開いた。
「………A、なにかあった？」
「…え？」
…いや俺、こんな聞き方したって答えられるわけないでしょうに。
単刀直入すきるだろ。
「なにもないですけど…」
「いや、だからさ……お前、いつもと違うんだよ」
「どこが？」
「……メイク、いつもよりだいぶ濃い」
俺がそう指摘すると、パッとしたように顔に触れるA。
「こ、れは今日試聴会がだったからですよ」
「ドラマの中の結婚式でドレス着て撮影してた時よりもだいぶ濃いけど」
そうまた言うと、黙り込むA。
メイクが濃くても、隠しきれてないんだ。
……Aの目元が、大きく腫れていることを。
また俺が口を開こうとすると、楽屋の扉が大きく開かれた。
「A、いる？」
その声とともに、Aのマネージャーさんが入ってきた。
「あら、二宮くんも」
「ども」
「どうしたんですか？」
「いやあのね、今近隣で大火事になってて、このままここにいると
外出た時に煙るからそろそろ事務所に戻りましょうって話になってて。
あ、二宮くんもね」
「火事ですか……大変ですね」
「あいにく建物の中に人はいなかったらしいんだけどね。」
そっか、人はいないんだ……よかった。
ちら、と隣のAを見ると、顔が真っ青になっていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 412人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橘花(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます♪主人公ちゃんの過去が紐解けそうな展開になってきてわくわくします。二宮さん、気持ち押さえて大野さんに会いに行くのすてき。。主人公ちゃんらくになれますように。。 (2018年7月5日 20時) (
レス) id: c285604a1b (このIDを非表示/違反報告)
ななか - 久しぶりの投稿とても嬉しいです！！頑張ってください！ (2017年12月25日 20時) (レス) id: 08d8ceba3c (このIDを非表示/違反報告)
ななか - こんにちは！楽しく読ませていただきました！二宮担なので幸せでした！好きだなと思った作品はメモに残しているのですが読み終わった瞬間即メモしちゃいました！season3も楽しみに待ってます！ (2017年11月30日 7時) (レス) id: 08d8ceba3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nanasm08291 | 作成日時：2017年11月13日 19時
