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『なんだ、失敗したのか。』



俺がそう呟いても目の前にいる俺は顔色ひとつ変えずにいた。



「ここは君の精神世界……まぁ簡単に言うと君は昏睡状態でずっと目を覚ましていないんだよね」


ヘラヘラとそう彼は言い俺のポケットへと視線を移した



「その指輪、なんだと思う?」

突然彼はそんな質問をしてきた。
いきなりそんな質問をされても俺にはわかるわけもなく


『………俺の大切なもの?』


なんて曖昧な回答をした。
彼は両手で丸を作るとにこりと笑みを浮かべ


「正解!まぁ正確にいうと俺の大切なものなんだけどね。」
『そう。それなら返すよ。』


ポケットから指輪を取り出し、彼に渡そうとするが俺の拳は彼の体が元から無いかのように透け、貫いていた。
驚きのあまり急いで腕を引き抜くと苦笑いをしながら彼がこう言った


「……あー今の俺はあくまで幻?みたいなものだから受け取れないんだよね」


だからそれは君が貰っといて?と彼は言っていた。



『君の大切なものなんでしょ。俺が貰ってもいいの』

「君だからこそあげるんだよ?」


俺の呟きに彼はキョトンとした顔でそう答えた。
……俺だからこそか。





「同じ記憶を持ち同じ名を持つ君だからこそ、俺には君に持っていてほしいと思っているんだ。………君に託したいと思っているんだ。」


彼は俺の手にある指輪を眺めながらそう呟いた。


「俺はね、大切な人を残して先にタヒんだんだよ。その指輪は大切な人からもらったものなんだよね〜。」


大切な人……というのは恐らくショッピのことなんだろうな。と何となく予想がついた。
断片的にだがみた前世の俺の記憶。あれは紛れもない本物なのだろう。



「俺は昔さ、敵の国からはもちろん、自分の国からも恐れられるほど強い軍人だったんだよ。それはそれは強くてね〜?気がつけば夜叉なんて名前もついたんだよ〜」



なんて彼は自分のことについて話始めた。


「……そんな俺でもさ、あっけ無くタヒんじゃうんだよ。あの時のことはよく覚えているよ。
あれは敵国の駐屯地を奇襲しにいった時のことでね。味方が撃たれそうになったのを庇ったんだ。」


懐かしそうに話す彼の表情は暗く無く、決して後悔はしていなさそうだった。


「まぁそれでもショッピくんを置いて先に逝っちゃったのは申し訳ないと思ったな。」


ポツリと彼がつぶやいた。

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77℃(プロフ) - 杏。さん» ありがとうございます!これからもゆっくりですが更新頑張ります! (8月18日 8時) (レス) id: d70c103796 (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。文字化けや表現も凝ってて凄く素敵な作品だと思います!!更新頑張ってください。 (8月18日 2時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
77℃(プロフ) - 白米の無い弁当さん» ありがとうございまぁぁす…!まだきちんと決まっていなかったr(((((殴 (6月13日 0時) (レス) id: 089865720f (このIDを非表示/違反報告)
77℃(プロフ) - モモモさん» わぁぁありがとうございます…!!これからも頑張ります! (6月13日 0時) (レス) id: 089865720f (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - なんだこの神作品は……続きが気になるッッッッ!!夢主ちゃんの過去とはなんだあッ!!デュエルスタンb((((( (6月12日 23時) (レス) @page8 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:77℃ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?mailchkd=1  
作成日時:2023年5月11日 0時

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