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ただ、あてもなく列車に乗っている。
行先なんて決まっていない。ただ、何処か遠いところに行きたい。その一心だった。
数分、数十分。いや数時間なのかもしれない。そのくらい長い間電車に揺られているととある駅に止まった。まぁ別に降りたりはしないが。
扉が開くと黄色のオーバーオールに豚のヘアピンを付けた青年が乗ってきた。
青年は俺を見るなりこちらへまっすぐ向かってくる。
あぁ、めんどくさそうなやつにつかまったなぁなんて考えつつ視線を青年から窓の外へと移す。相変わらず外は真っ暗で何も見えなかった。
足音が止むと、よいしょという声とともにと少し座席が沈む感覚があった。
sha「何か面白いもんでも見つけたか？」
辺りが真っ暗だったため窓越しに青年の笑顔が見える。
俺は窓越しに彼の目を見つめながら
『なんも。ずーっと真っ暗闇だな。』
そうぶっきらぼうに返した。そんな返答でも彼はニコニコと嬉しそうな表情のままだった。
変な奴だな。なんて心中で思っていると彼はまた俺に質問をしてきた。
sha「なぁなぁ。もし、この電車の行先を自分で決めれると思ったらさAはどこに行きたい？」
何処に行きたいかぁ……今まで何も考えてこなかったな。
海に行って波を眺めるのもいい。けど山の山頂まで行って山から見える景色を見るのもいい。
あぁ、でも田舎の行ってのんびり過ごすのもいいな。
…けど、今はどれもピンとこなかった。
『……今は、このまま行先も考えずにこのままこうして居たい…かな。』
そう彼に向き直り伝えると、ひどく悲しそうな表情になった。
sha「…また、一人で行っちゃうんか…？俺を置いて…」
『……ごめん』
ただその言葉しか出てこなかった。どうしてこの青年は初対面の筈なのにどうして【また】と言っているのかとか疑問はいくつかあった。がそんな疑問よりも先にこれを言わなきゃいけないと。そう思った。
青年は直ぐにでも泣いてしまいそうな顔になった。
慰めたほうがいいのかこれは……
どうしたらいいのかわからなくて取り敢えず頭を撫でてみた。
すると何が起こっているのかわからないというような表情でこちらを見つめてきた。
心なしか少しだけ嬉しそうにも見えた。
その後また暫く沈黙がこの場を制した。が、暫くして電車が次の駅に止まると青年は立ち上がり降りていってしまった。
青年は最後にこちらに笑みを向け「また、絶対に会いにくるな！」そう言われた
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７７℃(プロフ) - 杏。さん» ありがとうございます！これからもゆっくりですが更新頑張ります！ (8月18日 8時) (
レス) id: d70c103796 (このIDを非表示/違反報告)
杏。(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。文字化けや表現も凝ってて凄く素敵な作品だと思います！！更新頑張ってください。 (8月18日 2時) (レス) id: efc02aac0e (このIDを非表示/違反報告)
７７℃(プロフ) - 白米の無い弁当さん» ありがとうございまぁぁす…！まだきちんと決まっていなかったr(((((殴 (6月13日 0時) (レス) id: 089865720f (このIDを非表示/違反報告)
７７℃(プロフ) - モモモさん» わぁぁありがとうございます…！！これからも頑張ります！ (6月13日 0時) (レス) id: 089865720f (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - なんだこの神作品は……続きが気になるｯｯｯｯ！！夢主ちゃんの過去とはなんだあｯ！！デュエルスタンb((((( (6月12日 23時) (レス) @page8 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：７７℃ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php?mailchkd=1
作成日時：2023年5月11日 0時
