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瞬間、俺は反射的に起き上がりその場から走っていた。
今逃げないとヤバい。そんな気がしたからであった。
俺の予想は当たったようで、後ろで待ち構えていたのであろう夏油君が俺の後を追っかけてきていた。
そうして俺はあっけなく捕まり、夜蛾先生にこっぴどく叱られた。しかも罰としてほかのやつよりも10週も多く走ることになったし最悪だった。
『……あ〜つっかれた…何か飲み物…』
額から湧き出る汗をぬぐいながら俺は自販機来ていた。やっぱ炉運動をするのは嫌いだななんて考えながら小銭を投入していると後方から「やぁ、鍛錬お疲れ様。」と夏油君が声をかけてきた。
『あ、夏油君こそお疲れ様。今日も夏油君の動きすっごくかっこよかったよ!』
と笑って見せると夏油君は困ったように笑った。そんな夏油君の顔を見ていると、不意に前世で見ていた漫画のとあるシーンが頭によぎった。
「―この世界では、私は心の底から笑えなかった。」
そうか、ここが本当に俺の知っている漫画の世界なら夏油君がいつかこのセリフを言う時が来るかもしれないんだ。そして、五条君が夏油君を………
夏「A?とても顔色が悪いが大丈夫か?」
はっと我に返ると夏油君が心配そうにこちらを見ていた。
『大丈夫!ちょっと考え事してただけだから。』
そういい無理やり口角を上げて見せると、夏油君は心配だという表情のまま
夏「そうか。あまり無理はしないように。………それと、何か悩んでいることでもあればいつでも相談してくれて構わないから。」
と、頭を撫でてきた。どうして頭を撫でてくるのだろうなと考えながらもこくりと頷くと遠くから五条君がこちらへ歩いてきているのが見えた。
今日も五条君は神々しいな。なんて思いながら五条君を見つめていると五条君は俺たちのところに来ていきなり混りこんなことを言い出した。
五「なぁ、今から原宿行ってクレープ食べね?俺今すっごくクレープ食べたい気分なんだよ。」
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作者名:77℃ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?mailchkd=1
作成日時:2023年8月11日 22時