転生したら最推しとデートすることになりました…?? ページ4
『はぁっ……』
どうしてこんな事になってしまったのだろうか。
息を切らしながら走る俺はそんな事ばかり考えていた。恐る恐る後方を確認すると彼…僕の前世からの最推しでもある五条君が一直線にこちらへ向かってきているのが分かった。自身の体力も底をつき、逃げ切ることを諦め近くの木にもたれ掛かると、数秒もしないうちに彼は俺のもとへとたどり着いた。
そうして彼は俺を脇腹に抱え上げて
五「つ〜かまえた。そら、早くせんせのとこ戻るぞ。」
とスタスタ来た道を戻り始めた。普段ならば推しに抱えられるなど嬉しすぎて叫んでいるところだが、今はそれよりもこれからどうなってしまうのだろうという恐怖のほうが強かった。
今から数十分前、俺は鍛錬をサボって木陰で昼寝をしていた。
どうして鍛錬をサボっているのかって?それは勿論運動が好きではないからだ。体を動かすと汗をかく。汗をかくと服がくっついて気持ち悪い。だからこそ俺は必要最低限しか動きたくないのだった。
大自然の中でする昼寝はやはり格別だなと思いながらも寝返りを打つと、いつの間にか隣に見知った人が座り込んでいた。
五「よぉ、おはようA。サボりか?」
にかっと笑いながら白髪の少年は俺を見つめてきた。うん、今日も五条君は尊いな。
だるい体を起き上がらせて座ると俺は頷き
『そ、ちょっと面倒だなって思ってさ。五条君はどうしてここに?』
と照れながら言うと白髪の少年もとい五条くんはケラケラと笑いながらグイっと顔を近づけ
五「そりゃあ勿論お前連れ戻しに来たんだろ?」
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作者名:77℃ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?mailchkd=1
作成日時:2023年8月11日 22時