未来36 ページ36
「…数が…ない…」
「……」
ここら一帯の避難し遅れていた住人や、C級隊員を保護した時には戦闘は終わり、今は私から少し離れたところで太刀川さんが上に報告をしている。
C級隊員の数が合わない。
そう確認したとき、震えが止まらなかった。
捕まってしまった人はどうなってしまうのだろうと怖くて、誰の目も届かないところで一人うずくまった。
私は強くなんかないのだ、いつも何かと対峙したときは死にたくないとそればかり考えている。助けてと叫びたいときもあるけれど、それで誰かに迷惑をかけてしまうと思うとどうしても言えない。
多分私は人より臆病なんだろう。
「竜胆一旦本部に戻るぞ」
「はい」
報告を終えた太刀川さんがぼーっとしていた私に声をかけた。格子の目が私を見つめている。
「お前、大丈夫か?」
「大丈夫です…でも出水に会いたい」
私の言葉を聞いて、迅じゃないのか…と呟いて太刀川さんは歩き始めた。
昔は私のほうが出水の姉のようにしていたが、今では年下だが出水の方が私の兄のようだった。
出水は私にとって兄妹のようなものだ、向こうはまた別に思っているかもしれないが私はそう思っている。
出水は、家族に心配をかけたくない私が唯一甘えられる人。
それと違って迅さんは他人で、彼の悩み事は聞いて助けてあげたいとは思うけど、私の弱いところは知られたくない。
「家に帰りたくないな…」
「だったらうちの隊室に泊まれば?」
私の小さな呟きを拾って答える太刀川さん。
「太刀川さんって優しいんですね」
「だろ?」
私が彼の事を褒めると彼は口を開いて嬉しそうに笑う。
この人は本当に成人しているのだろうかと疑うが、迅さんも『さん』付けで呼んでいたし、ちゃんと成人はしているんだろうと思う。
そんな事を思っている間に本部前まできたがそこに血痕があることに気づき、敵のものかと思うが、後で誰かに聞こうと一旦考えるのをやめる。
建物にはいるとやはり中は慌ただしく、太刀川さんが、俺は上に報告してくるから太刀川隊の隊室に先行っといていいよ、と言って小走りで駆けていった。
そんな彼を見送ったあと、自分もいつの間にか太刀川隊の隊室に行くことが決定していたので、エレベーターに向かう。
下に行くエレベーターは混んでいたが上に行くエレベーターはそれほど混んでおらず、なんとか太刀川隊の隊室がある階にたどり着くことが出来た。
「ここは静かだな…」
そう言って私も目当ての部屋に向かった
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竜胆(プロフ) - 飛鳥さん» すみません！かなり遅くなってしまいました……かなり今更ですがご感想ありがとうございます！いつも読んでいただきありがとうございました！面白いと感じていただけて幸いです (2016年7月30日 22時) (
レス) id: 65ca44ab2c (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 初めまして！飛鳥です。 小説いつも読ませてもらってます！！ すごく面白いです！ 更新頑張ってください。 (2016年4月11日 21時) (レス) id: a12d33444b (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - つくのみさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2016年4月11日 21時) (レス) id: 12f6a89aad (このIDを非表示/違反報告)
つくのみ(プロフ) - 迅さああああああああああああああああああん!!!!!あああああああああああ!!!!!!!ってなりました。迅さん美味しいです。あと犬飼と二宮と弾バカと槍バカとっていうか皆美味しいです。ありがとうございます。こういう夢主めっちゃ好きです。 (2016年4月10日 21時) (レス) id: c7b49af549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2016年3月24日 13時
