未来30 ページ30
「奢ることになる未来は見えてたんですか?」
「奢るのも奢ってもらうのも両方見えてたよ」
「両方?」
「これもそんなに便利なものじゃないからなー」
あの後ファミレスで昼食を食べ、本当に迅さんに奢ってもらった。
太刀川さんは遠慮なく自分の食べたいものを頼んでいたが私と出水は中でも安い方のメニューを頼んだ。
今はこの後夜から防衛任務でその準備があるという太刀川隊の二人と別れ、まだお昼だしどこか散歩しようかと迅さんと二人で川沿いを歩いているところだ。
「私が未来を見ることが出来たら多分自分の目を潰しますね」
「どうして?」
「私、二人ピンチでどっちかしか助けられないとかあったら選べなくて結局二人とも助けられないとかなりそうですから、耐えられなくて」
あまり人が通らないこの川沿いは冬だという事もあるのかどこか寂しい。
気づいたら迅さんが黙ったままなのでまた何かまずいことを言ってしまったかと、隣を歩く彼の顔を見ると何故か嬉しそうだ。
「どうしました?」
「Aちゃんがおれに対してよそよそしくなくなったから」
「す、すみません」
「いやいや、嬉しいんだ」
そう言って頭にポンっと手をおかれ撫でられる。今日はよく頭を触られるな…と思うが別に嫌ではないのでなにも言わずにそのままにしておく。
「Aちゃんは好きな人とか彼氏とかいる?」
「仲いい男子はたくさんいますけどそういうのはいないです」
「ちょっと前に出水と付き合ってたっていう噂聞いたんだけど」
「付き合ってないです」
まさか犬飼が広めたんじゃないだろうなと先日の犬飼との会話を思いだし考える。
「じゃあ誰かと付き合ってたとかは?」
「中学校のときいましたね」
「あ、そこは年齢=とかじゃないのか」
私の恋愛事情は聞いて楽しいんだろうかと思いながらも迅さんの問いに答えない理由はないのでポンポンと答えていく。
ちなみに私の中学のときの恋人は元々あまり私が彼氏にベタベタするような感じじゃなく、それに加えて私がボーダーにも所属するようになったので会うことも極端に減ったためかフラれてしまった。
そのときはビックリするくらい何も思わなかったのを覚えている。
付き合い始めた当初は彼に何かをしてもらったり会うだけで嬉しかったはずなのに気づけばそんな思いもなくなっていて。
今はもう彼の顔も名前も覚えてはいない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
竜胆(プロフ) - 飛鳥さん» すみません！かなり遅くなってしまいました……かなり今更ですがご感想ありがとうございます！いつも読んでいただきありがとうございました！面白いと感じていただけて幸いです (2016年7月30日 22時) (
レス) id: 65ca44ab2c (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 初めまして！飛鳥です。 小説いつも読ませてもらってます！！ すごく面白いです！ 更新頑張ってください。 (2016年4月11日 21時) (レス) id: a12d33444b (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - つくのみさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2016年4月11日 21時) (レス) id: 12f6a89aad (このIDを非表示/違反報告)
つくのみ(プロフ) - 迅さああああああああああああああああああん!!!!!あああああああああああ!!!!!!!ってなりました。迅さん美味しいです。あと犬飼と二宮と弾バカと槍バカとっていうか皆美味しいです。ありがとうございます。こういう夢主めっちゃ好きです。 (2016年4月10日 21時) (レス) id: c7b49af549 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜胆 | 作成日時：2016年3月24日 13時
