【ワートリ】蒼穹【迅悠一】

未来3 ページ3

本部に着いたら犬飼とはお別れだ。
ちなみにこいつは本部に用があってもなくても本部に寄って帰宅する。一度何故なのか理由を聞いたら

『だって家に帰ったら勉強しなきゃじゃん?』

と言われた。私も同じような理由で本部に寄ったりしてるので何も言わなかった。というより言えなかった。
こんなふざけたやつでも流石進学校に入学しただけあって頭は悪くない。というか私よりも頭はいい。イケメンで頭もいいなんてなんてハイスペックな野郎なんだと何度も思う。

はてさて、本部に着いたはいいものの少し周りが騒がしいのでなんとなく聞き耳をたてながら歩いていると『玉狛の迅悠一が珍しく本部に来ている』という情報が周りを騒がせているらしいと分かる。

「迅悠一…迅悠一…」

『迅悠一』という男がいるのは知っているが会ったことはない。周りが現在騒いでいる通りめったに本部に来ないのだから当たり前なのだろうが。

「見てみたいな…」

会いたいなんて言うつもりも会話をしてみたいなんて言うつもりもない。私にとってS級やA級の人たちは高嶺の花だ。一部を除いて。

「…とりあえずポイント貯めよう」

もしかすると帰宅するときに姿を拝めるかもしれないと少し先の未来に期待しながらブースに向かうことにした。

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