アンドロイドな君【灰谷蘭】

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「いらっしゃいませ、何かお探しですか？」





メンズブランドの階に着くと、蘭ちゃんを見た店員がキラキラした目で彼を見る。



そうだよね、蘭ちゃん綺麗だから色んなの着せたくなるよね。





『彼に服を買いたいんですけど。』





「左様ですか、ではこちらなんかどうでしょう？」





どう？と蘭ちゃんに意見を求めようとするが、背後に居たはずの彼の姿がない。



え、どこ行った？



周りを見渡すと、彼は既に数着服を選んでいて、行動の速さに私も店員さんも驚いた。





「俺これがいい。」





すぐに彼はこちらに戻ってきて、手の中の服を私に渡す。



その服は流行りのセンスの良いものばかりで、店員さんはもはや形なしだ。





『センス良……。』





呟く様に言う私に、彼はまぁなぁ？なんておちゃらけている。



手短に会計を済ませてデパートを出れば、某有名カフェの看板に目が止まった。



喉、乾いたな。



かと言って蘭ちゃんは飲めないし、私だけ入るのもなぁ。



いいや、と諦めようとしたところで、蘭ちゃんが私の手掴んだ。





「飲みてぇんだろ？」





彼には全てお見通しなのか？



何飲みてぇの、と聞く彼に、キャラメルフラペチーノと答える。





「中人多いから、お前は外で待ってろな？」





『分かった、ありがとう。』





店内に入って行く彼の背中を見送って、テラス席のベンチに腰掛けた。



店内はすごい行列で、時間がかかりそうだ。



待っている間にスマホでもいじろうと開くと、すぐ横の席から怒号が聞こえて、私の肩は反射的に跳ねた。

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