〃 ページ48
「ああ、それともうひとつ」
ユナンはお茶のおかわりを注ぎつつ、私の目を見て言った。
「あまり、自分のことを卑下しすぎるのも良くないよ。気持ちは分かるんだけどね。まあ、年上のアドバイスとして聞いておいてよ」
「……あい」
目の前に新しいお茶が置かれる。それをちびちびと飲みながら、目の前の老人を見つめた。
「今は薪割りもしてくれてるしね。それに、僕の話し相手にもなってくれる。人間と話すのは久し振りでさ」
「いや、老人みたいなこと言うなよ」
「本当に老人かもよ？」
「その割には見た目が若すぎるだろ……って言っても、確かに見た目で年齢が判断できないよなぁ」
初めて会った時から思っていたけれど、ユナンはぱっと見で年齢が想像できる見た目をしていない。
「……魔法で見た目を維持してるかもしれない」
「…………えっ！？」
「冗談だよ」
ほ、と胸を撫で下ろす。
「……っていうのも、冗談かもしれない」
「〜〜〜〜〜！！！」
「だめだよ、女の子が胸倉を掴むなんて乱暴なことしちゃ、ああ〜っ」
◇
その日は、よく眠れなかった。
明日からついに『魔法』の授業が始まるっていう楽しみもあったけれど───
『人と比べて何もできない。何も持ってない。誰の役に立つこともできなくて、ずっと一人で泣いてるだけだったんだ───』
あれは、何だったんだろう。
まるで……私の知らない私を、覗いているみたいだった。
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名無しさん(プロフ) - 藍茶さん» 藍茶さん初めまして、ご感想ありがとうございます！返信が遅くなってしまってすみません。この状況下なので私生活でも色々あったのですが、できるだけ更新ペースも元に戻していきたいとは思います。よろしくお願いします (2020年6月4日 16時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
藍茶(プロフ) - 最近読み始めました。めっちゃ面白いです！更新待ってます(*´ `*) (2020年5月10日 1時) (レス) id: cd49a05e5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2020年3月4日 21時
