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「……クルトくん。琥珀さんはどのくらいの期間を、何度、繰り返してきたの」
「なるほど、そこが気になりますか。
そうですね、あなたたちと過ごしていた五年間を含めれば、およそ十五、六年を……申し訳ありません、正確な回数は分かりません。琥珀の記憶も、相当摩耗していましたから」
少なく見積っても十五年。それを数回やり直すというだけでも、常人なら気が狂ってしまうだろう。
そして彼は今『記憶が摩耗している』と言った。……記憶は、摩耗するものなのだろうか。そんなもの、想像すらできない。その分彼女は、本当に気の遠くなるような時を過ごしてきたということ。
それは果たして、百や二百程度で収まるものなのだろうか。
五百、六百。いや、本当に、桁違いの年数を───
「……アラジン？ 大丈夫ですか？」
大きな瞳がアラジンを覗き込んでいた。
「あ、ううん。大丈夫。ごめんね」
体は厭な汗を流していた。自身を落ち着かせるためにも椅子に座り直し、改めてなぎさとクルトに向き直る。
大丈夫なわけがなかった。何でもないように笑っていた琥珀が、それこそ精神が崩壊するくらいの年数、自分のために、ずっとずっと独りで戦っていた。それを聞いて、正気でいられる人がいるだろうか。
だったら、それは───報われなくちゃ、だめじゃないのか。
「クルトくん。琥珀さんを生き返らせるって、具体的にどうするんだい」
急に聞かれて、梟は一瞬だけ驚いたような動きを見せる。それからひとつ瞬きをして、答えた。
「先程言った通り、一匹でもインキュベーターが生きていれば、可能性はあります」
その梟を押しのけ、なぎさはずい、と身を乗り出す。
「要するに、なぎさがアイツと契約するのです。勿論、『琥珀を生き返らせる』を願いにして」
「な、なぎさちゃんが！？ ……あれ、でも、なぎさちゃんは、元々……」
「はい。ですが、正統な魔法少女というワケではありません。言ってしまえば、琥珀に造られた『人造魔法少女』とでも言いましょうか。ですから、契約できないということはないでしょう。別の世界の話になりますが、人間でない少女が契約をしたという前例はあります。
ソウルジェムは魂の結晶。恐らく、魂があるのならば非人間でも良いということでしょう」
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名無しさん(プロフ) - 藍茶さん» 藍茶さん初めまして、ご感想ありがとうございます！返信が遅くなってしまってすみません。この状況下なので私生活でも色々あったのですが、できるだけ更新ペースも元に戻していきたいとは思います。よろしくお願いします (2020年6月4日 16時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
藍茶(プロフ) - 最近読み始めました。めっちゃ面白いです！更新待ってます(*´ `*) (2020年5月10日 1時) (レス) id: cd49a05e5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2020年3月4日 21時
